言わずと知れた山岳滑降の聖地「立山 剱」。ここ数年はシーズン終盤に剱岳本峰を滑るために訪れているが、今回は新たにテレマーカーの仲間入りした友人たちとともに、晴天の立山、剱沢で日常を忘れる絶景と春のザラメを堪能してきた。
■アクティビティ日:2017年5月20日・21日
今シーズンは久しぶりに雪も多く、室堂から見る立山はまだり立派な雪山。有名な室堂の「雪の大谷」はこの時点で18 mの積雪だった。室堂のターミナル内にある入山安全相談窓口に登山届けを提出する際に雪のコンディションや雪崩情報を細かく教えてもらえるので、ここでしっかりと情報収集をしていきたい。また、立山は積雪期のビーコン携帯と登山計画書の提出がルール化されている。我々もしっかりビーコンチェックをしていざスタート!
睡眠不足ながらなんとか雄山の山頂直下のドロップポイントに到着。山頂直下から山崎カールにかけての斜面はクラックや立筋もほとんどなくどこでも滑れそうだ。はやる気持ちを抑えてイソイソと準備する。
標高差700m近い山崎カールを雷鳥平目指して滑降。雪質は3000m前後でも既にザラメ状態なので飛び出している岩に注意を払えば気持ちよく滑降が楽しめる。
大日三山の手前に目指す雷鳥平が見える。2500mラインをきる頃には足の疲労と雪の立筋で滑りも怪しくなってくる。
雷鳥平で一息。後ろに見えるのが立山三山。一番奥に高く見えるのが雄山で滑ってきたラインがすべて見える。滑ればここまで3、40分といったところ。
立山三山、山崎カールの滑降ラインを望みながら、剱御前小屋の立つ別山乗越まで標高差500mのハイクアップ。まだ見えぬ剱岳の雄姿に思いをはせながら気合で登る!
別山乗越から剱御前の主稜線をトラバースして剱御前岳のピークを目指す。いよいよ剱岳が見えてきて、今回のもうひとつのハイライトに期待が高まる。
剱御前のピークではつがいの雷鳥がお出迎え。毎年のことながらこの時期は雷鳥にとって恋の季節!
いたるところにつがいの雷鳥がいる。
我先に剣澤小屋に向かって思い思いのフォールラインで極上のザラメの斜面に飛び込んでいく。テンションMAX!「至福の時」である。
昨年やった剱岳本峰滑降は今回は見送ったので、今回は剱沢の急斜面を攻める、攻める!
朝焼けの剱岳。まだ剣澤小屋の小屋明け前のため当日は早朝から剱に向かう登山者はおらず、静かな朝であった。
朝、昨日滑降した剣澤御前の斜面を見ているうちにもう一本朝のうちに滑る事に決定!
極上のザラメをお代わりすべく、快晴の剱澤を源頭を目指してハイクアップ!
朝イチの剱御前滑降。前日同様、快晴の中剱岳、後立山連峰の山並を見ながらの至極の1本!!
至極の1本の後は再度剱沢を御前小屋目指してハイクアップ。振り返れば剱岳の雄姿!うしろ髪を引かれる思いで剱沢を後にした。
別山乗越から奥大日岳を見ながら雷鳥平目指してドロップ。稜線直下から雪は続いているが、剱沢に比べて雪質は重く斜面も荒れている。疲れの残る足にはこたえる1本。
いよいよツアー終盤。雷鳥平のテント村やみくりが池、地獄谷が近づいてきた。今年は豊富な雪のおかげで毎年苦しめられる雷鳥平から室堂までの登り返しはのでバスターミナルまで雪をつないでシールで戻ることができたので皆笑顔で終えることができた。
晴天の春山ではカミノパンツの堅牢性と撥水性がとてもマッチしていた。