DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

剱岳周辺で5泊6日、登攀と縦走を楽しむ旅。
【山行日】2017年8月11日~16日

Day1. 室堂→真砂沢

雨予報の富山に到着する。思いの外天候は良く、室堂に到着した頃には、時より陽射しも見えるほどだ。今日はベースキャンプにする真砂沢ロッジまでの短い行程だが、7泊分の食料と登攀ギア、カメラを詰め込んだザックが肩に食い込む。雷鳥坂に差し掛かった頃には、完全にガスに巻かれてしまった。しかし、この日の道は迷う心配もなく、重たい荷物を背負うアプローチには冷たい空気がちょうど良い。

剱沢の状態もよく、4.5時間程で真砂沢ロッジに到着した。

Day2. 源次郎尾根→剱岳→長次郎雪渓右俣

朝5時、今にも降り出しそうな不気味な空の下、キャンプを発ち、剱沢を登り返す。
40分ほどで源次郎尾根に取り付いたが、予想通りの、いや予想以上の渋滞に巻き込まれてしまった。標高差50mと行かずして動きが止まってしまった。やがて雨も降り出し、後続のパーティは渋滞を見てあきらめて引き返していく。

雨脚も強くなってきたが、一向に動く気配がないので、適当なブッシュ帯をトラバースし、ルンゼルート側面の草付に出た。

濡れた頼りない草をホールドに、行けそうなところまで詰めてみる。

するとあっさりと稜線に復帰。詰まっていた5パーティほどを抜かして、先頭パーティに追い付くことが出来たようだ

程なくして源次郎I峰。
ガスが抜けると明日登る予定の八ツ峰と、これから登る本峰が見えてきた。

今日もまだ道のりは長そうだ。

第II峰から40mほどの懸垂。

雨に打たれながら、踏み跡を辿って本峰へ。

連休だというのに、さすがに天候の悪さからか、人もまばらの山頂だった。

あとは長次郎谷をくだり、真砂沢へと戻る。

長次郎谷左俣の雪渓の状態はあまり良くないが、前爪のあるアイゼンがあれば問題ない。

Day3. 八ツ峰VI峰Cフェース、上半縦走。

昨日の渋滞に懲りて、今日は4時にスタートする。
しかし体調が優れず、Cフェイスの基部に到着したのは8時過ぎになってしまった。

この時点で2パーティー待ちの状態で、それ程待たずに済むかと思いきや、上層部でかなり混んでいるようだ。

10時半、登攀開始。

清水が登山靴で軽快に登っていくが、終了点が埋まっているようで、また止まってしまった。

こんなことを繰り返して、結局、最終6ピッチを追え、ロープを解いたのは4時前だった。

この日は大人しく上半縦走を諦め、V,VIのコルから降りることに決めた。

2本目の懸垂中に、コルへ続くトラバースラインが見えないこと、雪渓が切れてコルに上がれないことに気がついた。

気の緩みからか、ガスに惑わされ、誤った下降路を選んでしまったようだ。

すっかり暗くなり始めていたが、ここから3ピッチほど藪のなかを登り返す。

今日はビバークかと腹をくくりはじめた頃、正しい下降路が見えた。

日程にも余裕があり、焦ってテントに戻る必要性もなかったが、確実な下降路が見えたので、暗がりの中ロープを出す。

コルに辿りついたときには、ガスも切れて星が見えていた。

結局、この日はテント場に戻ったたのは11時だった。

Day4. 休息日。

濡れた装備をを乾かし、剱沢の冷たい水で汗を流すなど、各々ゆったりとした時間を過ごした。

Day5. 北方稜線

午後まではひどい天気にならないという予報を信じて、真砂沢を発つ。

まずは長次郎右俣の長い長い登り。

池ノ谷乗越しへたどり着いたら、ガリーの中は真っ白なガスに覆われていた。

破線ルートといえど、視界のないなか突き進む自信がない……。

どうしたものかと、暫く待機すると、これから進む先を覆っていたガスは切れ、逆に登ってきた長次郎谷が真っ白になった。

濃いガスが尾根を越えたのだ。

池ノ谷ガリーを下る。ひどく崩れると、前日に真砂沢で脅かされていたが、ビビりすぎていたようだ。この日は行程も長く、先を急ぐが、岩に飢えた男清水がチンネを食入るように見ている。

この様子だと、秋にまた同じメンバーでここに来ることになりそうだ。

小窓の王を越えたら、険しい岩稜は、穏やかな様相となった。

そのまま、小窓雪渓を下り、池の平経由で真砂沢へと戻る。

余裕を持って到着できたので、明日の下山を少しでも楽をする為、剱沢のテン場までひとがんばりすることになった。

残していた装備を全て背負うと、アプローチ時よりも重く感じる。

ここからの登り返しは、今回の山行のハイライトとも言える辛い2時間だった。

 

連日天候がすっきりせず、ぐずぐずと降ったり止んだり。肌に張り付きにくい裏地と、動きを阻害しないストレッチ性能のおかげで、頻繁に脱着をせずとも快適に過すことが出来た。

エバーブレスフォトンの商品情報へ

剱岳 源次郎尾根-八ツ峰-北方稜線におすすめウエアの組み合わせ方はこちらでもご紹介しています。

レイヤリング-アルパインクライミング

先行パーティ多く、雪渓の上で登攀ルートの長時間の順番待ちが発生。エマージェンシーシートが暖をとるのに役立った。

 

ACTIVITIES