6月~7月は毎週末エクストリームダウンリバーを楽しめる。南紀、四国と巡る怒涛の一か月を過ごし、いよいよ三連休の週末を迎えた。
■コース:祖谷川アッパー&ミドルセクション、穴吹川剣峡セクション、吉野川小歩危
■アクティビティ日:2018年7月14日~16日
■吉野川水系穴吹川
四国の大河、吉野川の支流を狙って四国入りする。初日は、剣山を源流とする穴吹川剣峡セクションのクリーキング。
やや濁りが残るが、穴吹ブルーの清い流れ。剣峡では荒々しいドロップが続く。意外に人工物が多いが、スリリングな瀬と渓谷の美しさがそれを帳消しにしてくれた。
■吉野川水系祖谷川
四国遠征2日目に選んだのが祖谷川。カヤックやラフティングのメッカとして有名な吉野川本流の大歩危小歩危を上回る谷の深さ。道路からはるか下方に、尾根をぐるりと迂回して大きく蛇行する流れが遠望できる。
水面は遠く、ほとんどは道路から見ることができない。トラブルがあったとしても川からの脱出は困難を極めだろう。水量は先週までの大増水から順調に減り、あと三~四日で平常に戻るくらいまで落ち着いている。水量は多くはないが、却ってはじめての川を下るにはベストコンディションだろう。
過去のここを下ったパドラーはいるが、詳細な情報はない。アッパーセクションのプットインのかずら橋まで行くと、カヤックで問題なく下れる水量があった。かずら橋キャンプ場の使用料を払って、ここからプットインした。
かずら橋から、道の駅にしいやまでの約3キロが結果的には最も苛酷だった。大半をポーテージして1時間半を費やした。
道の駅を過ぎると、谷がどんどん深くなって、地底に降りていくような錯覚に陥る。瀬は完全なるドロップ&プールで、落差があり見通しが利かないものがほとんど。都度、ボートから降りてスカウティングしていく。
巨岩でできたドロップはシーブやアンダーカットが多い。先は長いので無理に下ることはしなかった。
一宇発電所の直下にある大きな取水堰堤は、左岸から問題なくポーテージできた。
そのあとも続々と現れる瀬をこなしていく。ドロップは単発ではなく、瀬の中に一段、二段と配されており難度が高い。
「ひ」の字渓谷の展望台を過ぎると、ようやく祖谷温泉が見えてくる。崖上からケーブルカーで谷底にある河原露天風呂に降りるユニークな温泉だ。我々のいきなりの登場で入浴客を驚かせてしまった。
道の駅からここまで、そして、ここからテイクアウトまででコースはほぼ二分される。時間は既に15時近い。ここでテイクアウトしたいくらいだが、ケーブルカーを使うしか上がる手段は無さそうなので続行する。瀬の調子は変わらず、引き続きスカウティングとドロップ降下を繰り返す。
崖上はるかにある南日浦展望台を過ぎると、祖谷渓では数少ない水面へのアクセスが可能な祖谷渓キャンプ場に到る。ここから三縄ダムバックウォーターまでの3キロほどがミドルセクションとされている。
案に相違して、瀬の強さはここまでのアッパーセクションとあまり変わらない。2つ目の大きな瀬は、見通しの悪いクランク状になっていて、考え無しにスカウティングせず行ってしまったが、意外にキツく、慎重な気持ちを切らせてはいけないと反省。陽は傾き、疲労はかなり蓄積していたが、瀬はまだまだ続く。
慎重に降下を続けると、次第に谷が浅くなり、道路が近くなってくる。やがて瀬が終わって三縄ダムのバックウォーターに入るとテイクアウト。なんとか無事ダウンリバーを終えた。
■吉野川小歩危セクション
3日目は吉野川本流小歩危ダウンリバー。100トンのビッグウォーターの暴力的な水圧を感じながら、堂床から川口を漕ぎ抜けた。
リバーパドリングに必須の安全装備がゴージュバックとスローバックです。中でも、カヤックにオススメなのがゴージュバッグ25。狭いコクピットに収まるコンパクト設計でありながら、リバーレスキューの様々なシチュエーションに対応できる十分な長さ(25m)のフローティングロープが内蔵されています。