このお盆休みは、マルチアクティビティを楽しもうと北海道へ。
最初のプラン(もっとも、これでもかという悪天候のおかげで、まともにできた唯一のプランとなったが・・・)は日本最北の大河、天塩川のダウンリバーを行うことにした。使用するのはパックラフト。以前、finetrackのスタッフで北海道に移住したIさんもカナディアンカヌーで参戦し、パックラフト2艇、カナディアン1艇でのまったり川下りとなった。
天塩川は、河口から160㎞まで堰もダムもなく、ノンストップで最も長く下れる川として知られている。スタートは河口から158㎞地点、名寄の若干上流の風連二十線堰堤直下のカヌーポートから。ゴールは3日間という日程と、河口付近は流れがないどころか基本向かい風でパックラフトでは厳しいだろうという情報があったので、60㎞地点の中川市の誉大橋とすることにした。総距離約100㎞の川旅だ。
自分にとっても、パックラフトでここまで長い距離を下るのは初めて。果たして漕ぎ切れるか。
■アクティビティ日:2018年8月12日~14日
■8月12日
車の回送などで、出発は11時前となってしまった。
出発早々から、なかなかの大河っぷりを見せてくれる。
10㎞ほど下ったところで、名寄の街を通過するが、基本的にはほとんど人工物を見ることがないのが、さすがに北海道の川ということか。
生き物の姿は濃く、羽を広げると1ひろはありそうなオジロワシが普通に飛んでいるのにはテンションが上がる。大きな魚をつかんで飛んでいるオジロワシも見たが、パドリングしながら写真にとらえるのはなかなか難しい!
この日の区間は瀬はほぼ2級未満で、難しいところはなかった。ただ、水かかなり渇水気味だったようで難所の一つ六郷テッシはパックラフトではどうしても岩に擦りそうだったので、ポーテージした。
カナディアンのIさんは、ちょいちょいと釣竿を出し流れ下っていく。パックラフトの上で針を扱うのはちょっと怖いので、うらやましい。
キタキツネやエゾシカなどが時折姿を見せるが、ようやくまともに撮れたのはキタキツネ。好奇心旺盛なためあまり逃げないので写真に撮りやすい。
全く流れのない美深の街中区間を通過し、そろそろ泊り場所も考えなくてはならない時間。
川と道が並行している場所は多いが、深い川畔林に包まれてるために、実際には時折あるカヌーポート以外で、川の外にアクセスすることはかなり困難だ。
今回はもともと無補給想定で、食料もすべて持ってきていたので、沢屋らしく?河原で泊まることにした。できれば、飲み水が取りやすい、インレットのあるところが良い。(本流の水は、飲料水にするのはちょっとためらわれる。)
そんな感じで地図を見てあたりをつけながら下っていくと、美深付近のインレット(流れ込み)に素晴らしい泊りポイントを発見。初日の泊り地とした。
本日の漕行距離は37㎞。
■8月13日
朝、起きるとすでに釣りに興じているIさんの姿が。サクラマスのポイントらしく、大物を一匹かけたがバラしたらしい。時折ジャンプする巨大な魚が見えるが、あれもサクラマスだろうか。
出発は8時過ぎ。二日目の区間は、小気味良く瀬が続く区間が多く快適だ。序盤から、大曲の瀬、モンポナイの瀬などをこなしていく。時折日が差し、天気もまずまずだ。
目の前を、大きなマスをつかんだオジロワシが越えていく。慌ててカメラを構えると、別の一羽が頭上を飛び越えて飛んで行った。ようやく、オジロワシをちゃんととらえることができた。
全然いいタイミングで写真を撮れていないが、区間最大の瀬、豊清水の瀬を通過する。と言っても2級あるかないかくらいで、快適にこぎ抜けることができた。
音威子府の街が近づくにつれ、空模様が怪しくなり、ついに大雨になってしまった。音威子府から下流は、左岸に国道、右岸に宗谷本線が並行する区間となるが、渓畔林が濃いおかげで、あまり人工物が目に入ることがない。
音威子府より下流では意外と泊り場所に困る。河原はちょくちょくあるが、インレットと河原の良い組み合わせがないのだ。大雨の中、そろそろ泊まりたいなと地図であたりをつけた川のインレットも全く河原がなかったが、少し川に沿ってさかのぼってみると、泊まれそうな見つけることができた。ダウンリバーというより沢登りのビバーク地であるが、そう思えば十分に快適。
早めに出た分少しはかどっって、漕行距離は42㎞。残りは20㎞弱なので、明日の行程もだいぶ楽になるだろう。
■8月14日
ゴールまでは20㎞もないので、のんびりと流れ下る。
立派な工事中の橋が見えれば、ゴールは近い。そこから簡単な瀬を越えて一漕ぎで、ゴールの誉大橋が見えた。
積載量の限られたパックラフトでは、携行するギア・ウエアにコンパクトさが求められる。
自立式で居住空間も広いカミナドーム、濡れた服の上から着ても気にならないポリゴン2ULジャケット。これらはどちらもコンパクトに収納でき、今回の旅にぴったりのアイテムだった。