見るたび変わる天気予報、自然は意のままにはできないものですが、どうせ行くなら晴天を引きたいのも人の心。迷った時は、行くしかない。やらぬ後悔よりやって後悔。南アルプスの水と空気を満喫すべく、いざ出発。
8/11 椹島→千枚小屋
8/12 千枚小屋→百間洞山の家
8/13 百間洞山の家→聖平小屋
8/14 聖平小屋→椹島
■山行日:2018/8/11~8/14
待ちに待った夏季休暇。
あちこちから聞こえてくる楽しい予定に耳を傾けながら、なかなか決まらぬ自分の予定。行きたい山は盛り沢山。
とりあえず高速に乗ってみてからプランを考えるここ最近、計画性は重要。
「折角の休暇、登山道の渋滞はナンセンス。どうせならのんびりしたい。」
今回は南アルプステント泊に決定。
冷えた湧き水で割るための、手作りの梅シロップをボトルに入れ、インスタント食品に華を添えるべく、1週間前からベランダで干していた野菜をジップロックに入れ、後はザックに詰めるだけ夢を詰めて、金曜日の夜飛び出します。
毎度、遠征は行きの高速道路が核心。普段は仲良くしている眠気との闘いです。
■8/11 椹島→千枚小屋
ああ夏山シーズン、バス待ちの列を見ていると気持ちが逸るものです。
夏期臨時駐車場に愛車を止め、急いで支度。
今回は道中特別技術が要らないため、せめて足腰は鍛えねば、と相方の装備も背負います。
単品ではたかが知れる重量も、集合すると重さを感じます。
軽量化はグラム戦略、微細な努力の結晶にあり。
途中、眠気に負け、登山道脇の茂みで仮眠をとりつつ、千枚小屋までしとしと歩きます。
■8/12 千枚小屋→百間洞山の家
翌朝、水で口を漱ぎ、潰れたパンを口にほうり込み出発。
朝、ずんと姿を現した富士。
全国至る所で〇〇富士なる山を見かけますが、近しい形の山を見て、皆が富士を連想してしまうその気持ちは何だか分からいでもないなあと、実物を眺めながらしみじみ思います。
千枚岳を通過し、東岳へ。
悲しいかな、稜線に出ればガスのち雨。
レイン越しの雨の音を聞きながら、ただただ歩きます。
美しい思い出のダイジェストとなりうる区間の1つは霧の中に。
2日目は1日目の寝不足を解消するべく、荒川小屋で幕営し、のんびり本でも読む予定でしたが、カメラも構えずすたすた歩いてしまった為、時間を持て余し、もう一息歩いて百間平まで行くことに。
百間平を越え、テント場に到着するころには雨もやみ、荷を下ろして幕営します。
川でタオルを絞り、気持ちと匂いをリセット。
曇天悪天が続くと、速乾性のありがたみを身に染みて感じます。
■8/13 百間洞山の家→聖平小屋
待ちに待った晴。
兎岳を通過する頃にはガスも風にながれ、ようやく遠方の景色を拝めるようになりました。
慣れて当たり前になった絶景より、辛抱の末、垣間見た展望の方が心をゆするよね。
そう思うと気持ちも少しは晴れます。
のちガス。
我々が聖岳山頂付近を通過する頃には、ピンポイント爆撃のごとくガス。
展望は恥ずかしがり屋なのか何なのか、我々の日頃の行いが疑われます。
とどめは落雷。聖平小屋に到着したと同時に付近への着雷が確認されたため、泣く泣くテント泊を断念。
■8/14 聖平小屋→椹島
朝、持参した食料の在庫一掃セールで腹を満たし、下界の温泉に思い馳せて、樹林帯を一気に駆け抜け下山しました。
足が疲れてきたときは、もういっその事、走った方が楽。最近の小さな発見です。
椹島に戻ると別天地。
青天、青い芝、セミの声にソフトクリーム、憎らしいほどに漂う夏休み感。
草っ原で濡れたギアと自分を干しました。
行程をまき、1日早く下山してしまったため、時間かけて地道をのんびり運転し、帰りました。
次回山行は晴天を期し、徳を積みたい所存です。
さて、次はどこの山に行きましょうか。
休暇直前まで悩む日々の始まりです。
「何があるか分からないからね。」と、白タオルを2、3枚ほど詰めていた頃もありましたが、最近は入山から下山後の温泉までこれ1枚。
汗や汚れをこそぎ落とせるため、数日間風呂に入れない山行でも、自分の臭いにモチベーションが下がらずに済みます。
手のひらに収まるサイズは装備の軽量化にも貢献。濡らしても首に巻いておけばすぐ乾くところもいいですね。