DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

10/122018

海から山、そしてまた海へ 熊野古道をめぐるマルチアクテビティの旅

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パックラフトとキャニオニングで水線を辿って山頂から海まで行ってみよう!というのがこの計画の発端だった。
それが可能で、それぞれの遊びも合理的で面白いラインが描けるフィールドがないかな、と目についたのが海と山が近い南紀エリア、大雲取山~滝本北谷~清閑瀞~赤木川~熊野川のラインだ。
熊野川の下りラインは、世界遺産・熊野古道の川の参詣道でもある。ならば、登りも世界遺産の熊野古道中辺路・大雲取越のラインでつないで、海から山頂に登り、また海を目指すワンウェイのルートが3日間で出来るのではないだろうか?こうして、自己完結型アドベンチャーレースみたいなプランができあがった。

■アクティビティ日:2018年9月15日~17日

■9月15日
初日は、那智から熊野那智大社、熊野古道中辺路を経て大雲取山までのトレッキングだ。
新宮駅で、待ち合わせ、パッキングをして、電車で那智駅まで移動する。スタートはもちろん海。駅裏の海岸で水にタッチしてスタートだ。

車道歩き1時間半ほどで、熊野那智大社の入り口、大門坂に差し掛かる。巨木に囲まれた、歴史を感じる道だ。

せっかくなので、熊野那智大社にて道中の安全を祈願していくことにしよう。

那智大社を過ぎると世界遺産とはいえ、ぐっと人も減り、歳月を感じさせる雰囲気の道に変わった。

三日分の食料・生活道具にキャニオニング、パックラフト装備まで背負っての登りはなかなか堪えるが、一度歩いてみたかった熊野古道の美しさに、癒された。

初日の目的地、大雲取山は熊野古道からは外れた位置にある。最後は道を外れて、山頂直下から西に向かう無名沢を詰めることにした。傾斜も適度なので、南紀の沢に多いナメの詰めになることを期待して行ってみると、見事に読み通り!登山道を歩くのと変わらないくらいの時間で、快適に山頂まで詰め上げることができた。

■9月16日
二日目は滝本北谷のキャニオニングから、赤木川の清閑瀞のパックラフトという、アクティビティ的にはハイライトの日だ。

朝から、キャニオニング装備でスタート。しばらくは、穏やかな河原からナメだが、傾斜が強まってくるとまずは最初の滝場、斜爆の3連発が現れる。早速ロープを出して下降するが、水量が多くなかなかの迫力だ。

斜爆の連瀑の最後は15mの比丘尼滝。この谷は、端正な形の滝が多い。名前がついた滝が多いのも、古くから人が入っていた証だろうか。

この谷の中盤は南紀の沢の中でも屈指の見事なナメが続く。

グネグネと曲がりくねったナメの先、切り立ったクラの中に見事な形状の2連瀑が現れる。まずは亀壺ノ滝15m。コンパクトな深い滝壺があり、ギリギリウォータースライダーが可能かもしれない。

続く20m屏風滝を下る。

まさに、その名の通りの端正な滝だ。

すぐにこの谷最大の滝、ケヤキ原滝35mだ。今回使用の60mのスタティックロープ一発では降りられないが、左岸の樹林から下を見ると、ちょうど良いところにボルトが打たれているので、それを使用させてもらうことにする。

水量多く、素晴らしい迫力。

この谷では珍しいゴルジュ状の滝、部屋滝15m。飛び込みできそうな形状だが、倒木の枝が飛び出していて上から飛ぶのはリスキーだった。少し下ったテラスからの8m飛び込み。

終盤の大岩のゴーロ状をこなすと、最後に一段と大きな釜が眼下に広がる。15mの滝を下降して釜を泳いで、滝本北谷キャニオニングをフィニッシュした。

ここからは滝本集落の中を行く道をしばらくトレッキングだ。

集落を抜け、適当な河原でパックラフトに装備替え。長いパックラフトセクションの始まりだ。

赤木川の上流部は静閑瀞と呼ばれる。赤木川区間はカヤックの清流と知られているが、この区間は沢屋の世界。カヤックなどで通しでダウンリバーをした記録を見つけることができなかったので、ひょっとしたら初下降かもしれない。今回のメンバーも全員来たことがなく、一番未知の要素が高い区間だ。
今回、水量が多めだった(赤木川の水位53㎝)こともあるだろうが、瀞場と2~3級程度の瀬がひたすら続く、素晴らしく楽しい渓相だった。重荷を積んだパックラフトではなかなかハードだったが、これはカヤックのコースと考えてもかなりの上物なのではないだろうか。

ポーテージを強いられるところも多かったが、そんな時パックラフトは楽である。

岩が絡み、曲がりくねった瀬が多いので、ちょっとしたところでもなかなか楽しい。

この区間、車道からは遠く離れており、全く人工物がないのもよい。その分エスケープが困難な緊張感はある。

全体として、2級の瀬7割、残り3割は3級、一つ二つもっと厳しいところがあったかな、という感じであった。荷物満載パックラフトでリスクが高そうなところは、今回はポーテージしている。
それぞれの瀬をスカウティングしながらの下りだったため、かなり時間はかかった。

■9月17日
最終日は、長いパドリング区間。時間との戦いになりそうだったので、早朝からスタートする。
スタートまもなく、赤木川区間に入る。ここからは、カヤックで良く下られている区間だ。ほぼ瀬は2級以下となり、スカウティングするほどでもなく突っ込んでいけるので楽になった。

朝日が差して、美しい。

程よい瀬の楽しいダウンリバーが続く。

水質は抜群。やはり水がきれいな川は気持ちが良いね。

川が大きく開けてくると、間もなく熊野川と合流だ。本流の水は濁っていて、水の色がまるで青ナイルと白ナイルのように、くっきりと分かれている。

熊野川は大水量だ。瀬は大波がたっているが、川が広いのでなんとでもなる。流れが速いので、うまく流れに乗ればかなりのスピードで下れる。

ようやく海が見えた!

海は大波が立っており、あの波にさらされたらパックラフトはひとたまりもない。慎重に河口に向けて漕ぎ進むと、河口に突き出た砂嘴の裏側にうまく上陸できそうだ。

河口ゴールの理想的な形でフィニッシュすることができた。

 

今回のルート(青:トレッキング 黄色:キャニオニング 赤:パックラフト)

 

トレッキングから沢へ、そしてパドリングへとマルチなアクティビティを楽しむこんな旅には、水にぬれても重くなりにくく、水切れが良いエバーブレス3Dを採用したエバーブレスレグンがちょうどよい。
荷物が多いので、コンパクトなのも大きなメリットだ。

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