積雪期にしか登ったことがなかった鋸岳へ行ってきた。
夏はガレガレな上にルートが分かりづらいとの噂を聞き、不安もあったがワンデイで強行した。最近はクライミングばかりだったので久しぶりの山歩きだ。「ほどほどに」と自分に言い聞かせるも、歩くうちに楽しくなって、踏み出す一歩一歩が気持ちよく自然とペースが上がり、いつの間にか早足に……。
■山行日:2018年10月12日
まだ暗い5時に戸台の川原にある駐車スペースに到着するも、前日からの雨は依然として止まず降り続いている。
準備を済ませて5時半に歩き出すが、雨は降り続いており「稜線出るまでに止んでくれよ」と願いながら歩を進める。
順調に進み、1時間半ほどで角兵衛沢出合いに到着。
このころには雨はほとんど止んでいた。木からの雫でレインウェアなしでは濡れてしまうが、さすがに暑くて脱いだ。
角兵衛沢出合いからはしばらく樹林の登りが続く。
木から滴る雫と汗でメリノスピンライトがびしょ濡れになり、寒くなってきたのでドラウト®クローを着用。
これがすこぶる調子よく気分も上がり、足取り軽く鋸を目指した。
樹林を抜けると標高差800mを一気に登るガレ沢の急登となるが、ここもドラウト®クロー着っぱなしで一気に登る。
この運動量でもドラウト®クローなら通気性が良く、暑くなりすぎないので非常に快適だ。
ここからが鋸岳の核心部で、小ギャップ、鹿窓、大ギャップと難所の連続となる。
この核心部は正直なところ雪がついていた方が歩きやすかった。
さすがに素手では寒かったが、エバーブレス®トレイルグローブのおかげで安心して鎖場も通過できた。
核心部を終えて、第2高点で景色を見ながら休憩する。
遠くに白く雄々しい甲斐駒ヶ岳が見える。以前来た時はあそこまでのラッセルに泣かされた記憶が蘇る。
休憩もほどほどにして、中川乗越から熊ノ穴沢経由で下山する。
この熊ノ穴沢が以外に厄介で、まるで新雪の中を下っているよう。
と、言うと下りやすそうだが、積もっているのは雪ではなく石なので、一歩ごとに石に埋まるようなもので神経を使う。
しばらく下ると樹林に入り、黙々と下って戸台の川原に戻ったのが13時半。
意外に早く戻ってこれた。
後は、延々と川原を歩き来た道を戻る。
駐車場に到着したのは15時半だった。
雨と汗で濡れたベースレイヤーの上から着用。急登を一気に登るようなシーンでも、暑くもなく寒くもなくちょうど良いバランス。
ベタベタに濡れたベースレイヤーから水分を強制的に吸い上げみるみる乾かしていく吸汗性は強い味方になってくれて、今回の山行中ほぼ着っぱなしだった。
防水、防風、防寒にと大活躍。特に鎖場では抜群のフィット感で安心して使用できる。岩とのフリクションも◎