DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: 樫本 遊太  ■写真:樫本

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スタッフの遊び記録
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3月に足を痛めてしまい、ようやく調子が戻ってきたものの今年の夏はハードな遊びはできない、でも何かワクワクする遊びがしたい。しかし単独行となるとハードなルートも難しい
そんな贅沢な悩みを叶えるべく以前から気になっていたルートを辿ってみることにした。
かつては登山道として使われていた沢を繋げつつ北鎌尾根に沢から詰めるというなかなか冒険感のあるルートだ。

■アクティビティ日:2019/8/12-14

8/12
信濃大町駅の駐車場に車を停めタクシーで高瀬ダムへ向かう。
高瀬ダムから湯俣温泉まではのんびりとした横移動。朝の涼しさが気持ちいい。

晴嵐荘に到着し千丈沢の水量について尋ねる。
水量は平年通りとのことで問題なく遡行が出来そう。
すでに同日北鎌尾根に向かうパーティが入っているとのこと。
北鎌をP2から登るのも楽しそうだなぁと考えつつ入渓する。

入渓後は即渡渉。見た目よりも水量がありなかなかの重量を感じる。
渡渉を繰り替えし時には腰まで水に浸かりながらものんびりと遡行。
天気も良く、広い河原を人と会わずにのんびりと歩けるのはバリエーションルートの醍醐味だ。

ところどころに残置ロープがありかつてを彷彿とさせる。

千天出合へ到着。北鎌に行く場合はここから左側の天上沢へと入るが今回は右側の千丈沢を遡行。

途中千丈沢を下降してくる同じく単独行の方と出会う。これより北鎌に向かうとのことだった。こういうところで人と出会うと嬉しくて思わず手を振ったりしてしまう。
徐々に水量も減り、そろそろ沢靴も必要ないかなというところでで幕営。川の流れる音を聞きながら一人で眠る。すごく贅沢な時間。

8/13
この日は朝からひたすら五ノ沢を詰める。北鎌尾根の千丈沢側には様々な沢があるが、その中で千丈乗越に詰め切る一本前にあるのが五ノ沢で岩小屋沢とも呼ばれている。
この沢をひたすら詰める。何度も地図と地形を見比べながら慎重に進む。詰めを間違えるとどうしようもなくなる可能性も大きい。

槍と小槍が並んで見える。この光景はここからでないと見えない貴重な眺めだ。
高度が上がるにつれ時折雪渓も出てくるが崩壊寸前の為迂回しながら進むが、沢を外れると足元が非常に崩れやすく、慎重に登る。

ところどころ涸れ滝を登るがクライミングとしては難しくないものの岩を信じられないのでしっかりと確かめながら慎重に登る。
上部の状態はもろくボーリングの球サイズの岩が触れると簡単に落ちていく為気が抜けない。傾斜も急になり万が一の際にも簡単に懸垂下降も出来ないなと考えながら、しかし緊張感が気持ち良く登り続ける。

 

北鎌尾根の稜線が近づくにつれてワクワク感もましていく

最後はボロボロで触れるもの全てが崩れる中沢を詰め北鎌尾根に合流。
ほっと一息だ。
北鎌尾根とて気は抜けないがこれまでとは比べ物にならない程岩は安定しており快適な登りを楽しむ。

山頂に着き振り返り来た道を振り返る。爽快感でいっぱいだ。

この日は槍沢沿いにババ平まで下り行動終了。

8/14
ババ平より常念岳を目指す。
ババ平を出発して槍沢ロッジ方面へ下る。
槍沢ロッジを通りすぎもう少し歩くと二ノ俣谷へ到着。
ここから入渓して遡行開始。

穏やかな渓相の中のんびりと歩く。
蝉の鳴き声も聞こえ夏休み感は全開。

しばらく二ノ俣谷を詰めたところで中山乗越を目指し支流へ入る。
沢の上部は苔生した美しい沢がチョロチョロと流れており美しい。

沢を詰めきり藪漕ぎに苦しめられながら中山乗越に到着。
藪漕ぎはしんどいがなぜかワクワクしてしまうのはなぜだろう。

反対側へと下り一ノ俣谷へと入り更に遡行。
沢を詰めていくと
常念小屋へと水を引くためのポンプとホースを発見!

ホースの後を追いかけ沢を詰める。それにしてもこれだけの長さのホースを手入れして水を供給してくれる小屋の偉大さを知る良い機会だ。
沢を詰めきりようやく常念小屋へ到着。

本来ならばここで幕営し、翌日燕までのんびり稜線歩きを楽しむ予定であったが翌日は台風接近、天気も悪くなり始めていた為ここから下山した。

台風に少しカットはされてしまったが冒険感のある非常に満足のいく夏休みとなった。

 

沢歩きと一般道が入り混じった今回のような参考では、タープとしてもテントとしても使えるツエルト2ロングが大活躍だった。
高い透湿性がある為結露もせず、居住空間をしっかり確保出来るため窮屈な思いもせず、しっかりと休む事が出来た。

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