不帰ノ嶮。
私が雪山登山で順調にステップアップを始めた頃、次こそ北アだと訪れた場所が唐松岳でした。
そこで目にしたのは波打つ様な雪と突き出す岩峰、不帰ノ嶮。
緩やかな八方尾根を歩いていた私には、アルプスの厳しさが滲み出て来たかの様に思えました。
それから数年。遂に不帰を滑る時が来ました。
※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。今回のルートには冬季登攀の要素も含まれ、登攀スキルと滑降スキルの両方が必要となります。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
白馬ではお約束のゲレンデトップからのアプローチ。
装備チェックを済ませてスタートした私達を出迎えてくれたのは、爆風で磨かれたカチコチの大斜面!!
たまらずクトーを付けますが、先が思いやられます。
気温が上がる前に滑るべく、気合を入れて八方尾根を登り詰めて行きます。
登りつつ斜面の様子を伺いますが南面はモナカ、北面は風でパックと中々厳しいコンディションです。
登るにつれ段々と不帰が近づいて来ますが、目標のCルンゼは綺麗な様に見えます。
唐松岳への最後の登りに入りますが、ここまでのハイペースに身体が堪えます。
登山者で賑わう山頂に別れを告げ、不帰へのアプローチに入ります。
ようやくCルンゼに到着、私達と入れ替わる様に3人組が滑り降りて行きました。
見る限り雪質は良さそうで、滑走への期待が高まります。
雪質のチェックを終えると、吸い込まれるような斜面に向け滑走開始!!
あっと言う間に流れる景色と舞い散る雪、浮遊感に包まれる最高の瞬間。
一息にルンゼを駆け抜け、安全な場所で他のメンバーを待ちます。
メンバーが滑り降りる度、唐松谷に雄叫びが響き渡ります。
Cルンゼの興奮が抜けぬまま、帰り道を眺めますがデブリも見当たらずコンディションは良さそう。
アルプスを感じさせる唐松谷を快適にクルージング。
高度をどんどんと落として行きますが、相変わらず快適そのもの。
所々吹き溜まりがあり、雪煙が舞い上がります。
遥か遠くになった斜面を眺めつつ、充実の登り返し。
再び滑走し下山完了。
不帰を滑った充実感に包まれたまま、温泉へと駆け込みました。
プラスチックのスキーブーツは硬く、ラインナップも少ない事から足型にピッタリと合う物を探し出すのは至難だ。加えて厳冬期にも対応する保温力があり非常に蒸れる。
湿った足に甘いフィッティング。この2つが組み合わされば靴擦れへと一直線だ。
そんな時、足をドライに保つこの靴下はスキーヤーの悩みの種を1つ取り除いてくれる。