いろいろなアクティビティを合理的なラインで組み合わせる。
自分にとって、一つのテーマになっている遊び方だが、この手の遊び仲間の友人が東北に旅立ったのに合わせて東北ラウンドを行うことになった。
今回のルートは「最上海道越え」。
東松島市の鳴瀬川河口を出発、山間部を古道の最上海道を歩き、山を越えて最上川に沿って海まで出る、水線をたどるラインだ。
最上海道は明治25年に国道が山を貫くまでの古代から近世にかけて、太平洋と日本海を繋ぐ重要な道だったようで、「海道」という呼び方にもそのことをうかがわせる。
宮城県側を折りたたみ自転車で出発。登山区間はトレッキングで越え、山形県側は適当なところまで再度折りたたみ自転車で降りたあとで、パックラフトで最上川の河口までダウンリバーする、全装備を自分で持って海から海まできっちり人力でつないでやろうという日本横断旅。
大まかな戦略は考えるけど、細かいところは現場対応のアバウトプラン。3日間で無事ゴールできるかな?
■アクティビティ日:2020年10月16日~18日
東松島市の鳴瀬川河口右岸側に朝5時15分の現地集合。無事合流成功。自転車は全員14インチだ。
太平洋にタッチしてスタート。
まずは80kmのサイクリング。鳴瀬川の堤防沿いのに管理道があり、サイクリングロード並の快適さ。
親切に距離表示までしてくれている。
最終コンビニでgo toでゲットした地域共通クーポンの大盤振る舞い。
最後は山道区間をヒルクライムして、漆沢ダム手前の最上海道の起点へ。ここから13kmのトレッキングのスタートだ。
最上海道は近世には馬や大八車なんかも通ったはずの道。ひょっとしたら降りたみ自転車もパッキングせずに押し担ぎで行けるのでは?とそのまま行ってみると結構行ける。パッキングするのではなく、押し担ぎスタイルで行くことにした。
美しい雑木林の中を行く、極上のトレッキングルートだった。乗れそうなところは乗ってみたり。
古道らしく、時々古い遺構が見られた。
難所は担いで超えた。
暗くなるギリギリまで歩き、水場近くの乾いたところにタープ泊とした。夜は0度近くまで下がった。
翌朝4:30、小雨混じりの天候の中スタート。軽井沢番所というかつての関所の跡を通過。
中央分水嶺を越えた。中央分水嶺といっても、このあたりは600mくらいしかない。古い街道らしく、地形の弱点を突いた、合理的な山越えラインだ。
1時間半ほどで林道に出た。こんな時、自転車があると実に機動力が高い。
途中、銀鉱山の遺構を通過する。そこからは銀山温泉に向けて川沿いの美しい遊歩道だ。
銀鉱山の麓に栄えた銀山温泉。ほとんど下調べをしていなかったが、歴史のある温泉地らしい、風情のあるところだった。
足湯もあってついまったりしてしまった。
そこから再び最上川に沿った自転車セクション。川の様子と翌日の日程をにらみ、適当なスタート地点を検討しながらのサイクリング。
結局50kmほど走り、良いエントリー場所があった河口まで47kmの地点をダウンリバーのスタート地点とした。
1日と3時間程度の時間で、パックラフトで下るには結構ハードかな〜。
途中に一つ堰堤があること以外、下調べほとんどしていなかった最上川の区間。
やばいところはポーテージと決めていたが、瀬は最大で2級マイナスくらいか?自転車を積んだパックラフトでもなんとか下れそうな感じだ。
山間の渓谷状の区間を抜けていく。
石ゴロゴロの河原ばかりだったが、暗くなる直前に素晴らしい砂地を発見。
本日の宿に決定。
薪も豊富で盛大な焚き火を楽しむ。濡れた体で気温5℃くらいまで下がったのでありがたかった。
翌朝夜明けとともに出艇。
心配していた堰堤だが、横を普通に通過することができた。
堰堤下の瀬がやや激しい。
庄内平野に出た!
ここ二日ほど冷え込んだせいだろうか。遠くに見えた鳥海山はすっかり冠雪していた。
平野部はこんな感じのなかなかの大河(小さく人が写っているのがみえるかな?)だが、自然に囲まれ人工物がほとんど目に入らないのはよい。
それでも、小気味よく瀬も出てきて、2箇所ほどテトラが絡んだ複雑な流れの瀬があって、ヒヤリとさせられた。
最上川の下流部は国内最大の白鳥の飛来地とのこと。たくさんの白鳥を見ることができた。こんなに近い目線で見ることができるのも、パドリングをしてこそだ。
残り10kmほどは流れもなく流石にダレた。海が見えるがなかなか近づいてくれない。
35㎞を7時間ほどで下ってようやくゴール!
そして日本海にタッチ。太平洋から日本海まで、一本のラインがつながった。
自転車にトレッキング、ウォーターアクティビティものあるのでウエアの選択は難しい。雨具は陸上でも水上でも使い、軽量コンパクトにしたいということでレバーブレス®レグンを選択したが、コンパクトでウォーターアクティビティで使っても乾きが早く、正解だった。