今回話を聞いたのは「YAMAP MAGZINE」で編集長を務める中條真弓さん。YAMAP MAGAZINEとは、スマートフォンのGPS機能で現在地を確認できる登山地図アプリを提供するYAMAPが立ち上げた登山情報サイトで、登山者に有益なコンテンツを日々配信しています。
中條さんは、学生時代に所属していた旅行サークルのメンバーと挑戦した富士登山をきっかけに山登りを開始。いまでこそ登山経験も豊富な中條さんですが、「当時は知識が乏しく、”悪い登山者のお手本” のような服装をしていた」そう。
初回の学びを生かして富士山再訪。このときは「登山者のお手本」となる服装で快適に登頂できた
そんな初登山の苦い経験から服装の見直しを開始。やがて汗冷え・臭い対策などの観点から「山下着」の重要性を強く感じるようになり、現在は山登りに欠かせない基本装備としてドライレイヤー®を愛用していると言います。
ドライレイヤー®を愛用する理由とおすすめポイント、ご自身の経験から考える下着の重要性について、女性ならではの目線で語ってくれました。
―ドライレイヤー®は、女性専用の商品を多数ラインナップしています。まずは中條さんの愛用品から教えてください。
普段の山行ではブラタンクトップとサニタリーショーツを愛用しています。このふたつはぜひ山女子におすすめしたい商品です。
―どちらも女性ユーザーに人気の高いアイテムです。ブラタンクトップは、どんなポイントが気に入っていますか?
ドライレイヤー®のブラタンクトップを使い始める前は、ほかのアウトドアメーカーの商品を使っていました。けど、やっぱりドライレイヤー®とは素材が違うんです。
ドライレイヤー®ブラタンプトップ。落ち着いたグレーカラーもお気に入りのポイント
素材はたしか、化学繊維にコットンがちょっと混ざっていたものだと思います。それを着て縦走に出かけると臭いが気になって…。途中で着替えたい! って気持ちになっていたんです。
―山に登っている最中、臭いを気にする女性は多いと聞きます。
私はテント泊で縦走登山を計画するようになってから顕著に気になるようになりました。テント泊で縦走となると持ち物が多くなるので、荷物を増やさないように同じ服装で何日も過ごすことになるんですよね。
すると、着ている服の臭いがどうしても気になるんです。着替えたとしても臭いのする服を持っているっていうのがちょっと嫌で。テントの中で着替えるときに服がくさいと感じるのもストレスでした。
―それがドライレイヤー®を着るようになって解決した?
少なくとも最初に買った他メーカーのブラタンクトップよりは快適だと感じました。嫌な臭いが発生しにくいし、汗をかいたときの感覚もサラッとしているので、汗冷えも軽減できます。
もちろん日帰りで使うのもおすすめですが、特に縦走の場合は快適性がめちゃくちゃ変わると思います。
カップを覆う内側の生地にもドライレイヤー®が使われている。汗が残らないのがいいと太鼓判
―ドライレイヤー®にはブラ単体の商品もありますが、登山にはブラタンクトップがおすすめですか?
好みはあると思いますが、個人的にはブラタンクトップタイプが気に入っています。ブラだけだと背中の汗冷えを別のウエアで対応しなくちゃいけないし、ブラの上にまたドライレイヤー®を着るのもなんとなくしっくりこなくて。
―もうひとつのおすすめアイテム、サニタリーショーツのお気に入りのポイントも教えてください。
サニタリーショーツに関しては、登山に特化した商品って、あまりないと思うんですよね。ドライレイヤー®のサニタリーショーツは、装着したナプキンのズレや蒸れが気にならなくて非常に快適です。
―女性だからこそ分かるドライレイヤー®サニタリーショーツの良さですね。
山へ出かける頻度が多くなればなるほど、けっこうな確率で生理の日とタイミングが被ります。タンポンを使うとか対処法はいろいろあると聞くんですけど、紙ナプキン派は一度試してみる価値ありだと思います。
アクティブに体を動かしていると、ナプキンのズレや蒸れが気になることも少なくありません。
ドライレイヤー®サニタリーショーツは、そういうちょっとしたストレスから解放してくれる優れもの。頻繁に山に登る女性や、生理中の登山にためらいがある方には、強くおすすめしたいですね。
―ブラタンクトップもサニタリーショーツも、さまざまなメーカーの商品があります。他メーカーのアイテムを着て比べたことはありますか?
実はあまりないんです。知人にドライレイヤー®がすごくいいよって薦められて使ってみたら本当にすごく良かったので、それで満足していたという感じでしょうか。
新製品が出たタイミングであるとか、誰かに強く薦められたというようなきっかけがないと、他メーカーの商品を使ってみようっていうマインドにならないのが正直なところです。
―気に入るとほかの商品に目が向かなくなる気持ちはよく分かります。
お気に入りのウェアに身を包み、四国にある次郎笈から三嶺まで縦走を楽しむ
ドライレイヤー®を知るまでは、ずっとウール信者でした。臭わないし、汗冷えもそんなに気にならないので、夏でも薄手のウールの下着をずっと使っていました。
なので、ドライレイヤー®の良さを知ってからここ数年は、ウールとドライレイヤー®の両方を使い分けています。
―保温性の高さでウール製品を好む方も多いですね。どのように使い分けているのか教えてください。
夏は臭いとか汗冷えを防ぎたいのでドライレイヤー®を着ることが多いんですが、冬の低山であまり汗をかかなさそうであれば、着心地が好きなのでウール素材の下着にしています。残雪期はあたたかくて汗をかきやすそうだったら、ドライレイヤー®を着て、替え用にはウールを…という感じです。
―富士山に登ってから服装を見直し始めたと伺いました。すぐに下着も変えようと思ったのでしょうか?
仕事で登山に関わるようになるまで、下着を専用のものに変える発想はなかったんです。富士山に登ったあともサークルの仲間と会津駒ヶ岳や那須の山に登っていたんですけど、そもそも汗冷えの概念すらなかったと思います。
登山を始めたばかりの頃は、汗をかく=「デトックスしてる」とか「痩せそう!」とかのイメージが強かったというか…。恥ずかしい話ですが、私も、当時一緒に登っていた友達もそれに近しい感覚だったんじゃないかなと思います。
当時の様子を思い出して苦笑い。「知識がないことの危うさ、正しい服装、装備の大切さを忘れないようにしたい」
―汗をかいてそれが冷えてもリスクと感じなかったのですか?
たまたま気候に恵まれていたから、汗で体が冷える経験がなかったんです。でも、運が悪かったら低体温症になる危険性はあります。たまたま危険な状態にはならなかっただけで、リスクは自ら招いていたと思うんですよね。
―汗冷えも知らなかった当時の自分を振り返って、改めてドライレイヤー®の良さを伝えるとしたら、どのような言葉で説明しますか?
汗冷えのリスクがなくなるだけでなく、臭いやベタつきといったストレスも解消されます。ドライレイヤー®はソフトな肌触りで汗も残らないように設計されているので、普段身に付けている下着で登るよりも格段に快適性が良くなりますね。
―登山の快適性に下着が占めるウェイトは大きいようですね。
そうですね。山登りビギナーの友達から持ち物の相談を受けるとき、最近は下着も登山専用のものに変えた方がいいよってアドバイスすることもあります。
「山をこれからはじめる人たちに、下着を変える発想を持ってもらいたいですね」
登山を始める人は、登山靴とバックパックとレインウエアが真っ先に必要装備として頭に浮かぶと思うんですけど、どんなに高機能なウエアを着ても下着がちゃんとしていなかったら結局体が冷えてしまうので、本当は下着が一番重要かもしれません。
女性は男性と比べて身につける枚数が多いですし、お腹や背中も冷えるから、下着の重要性はもっと見直されるべきかもしれないですね。
―いまとなっては、普段の下着で山に登ることは考えられないですか?
それは絶対にないですね。私にとってドライレイヤー®は、山の基本装備の一部です。
【教えてくれた人】
中條真弓(ちゅうじょう まゆみ)さん
1986年、栃木県生まれ。学生時代の旅行サークルではアクティブなグループに出入りし、ホノルルマラソンで42.195kmを完走した経験を持つ。出版社勤務を経て2018年にYAMAP入社、翌2019年12月にYAMAP MAGAINE編集長に就任。月間200万PVを目標に、山の楽しさと安全を伝えるコンテンツを作成している。
「YAMAP MAGAZINE」は登山アプリ「YAMAP」が運営するWebメディア。「これからの登山文化をつくるメディア」をコンセプトに、日々、山の”安心安全”と”楽しみ方”を配信している。アプリと連動したキャンペーン、独自ニュースにも注目。
YAMAPには公式オンラインストア「YAMAP STORE」もあり、YAMAPスタッフが本当にいいと思える登山・アウトドア道具だけを、目ききしたアイテムを取り揃えています。
「冷え」「べたべた」「ニオイ」など、汗によるバスト周りの悩みを軽減 。着替えが容易でないアウトドアシーンでもアクティブに楽しみたい女性のための「山ブラ」です。
構成/文 吉澤英晃