厳冬の山での
さらなる快適さにこだわって

フロウラップ^®EXPは、ファイントラックでも最も遊びにストイックで、一年を通して様々なアクティビティを実践し、冬はアルパインクライミング、BCスキーで遊ぶスタッフ相川のこだわりから生まれたウエアです。

冬はスキーやアイスクライミングを組み合わせた難ルートに挑むことが楽しみの１つ。そんなルートではウエア選びにはおのずとシビアになる。

開発の起点は、厳冬の山でのレイヤリングに関するちょっとしたモヤモヤでした。

厳冬の山での私のレイヤリングは、L1ドライレイヤー®とL2ベースレイヤーをベースに、その上に保温着であるL3ミッドレイヤーを着て、L4ミッドシェル^®を羽織ります。

行動時の基本レイヤーはL4まで。
標高や気象条件によってはもちろんL5アウターシェルを着ることにはなりますが、結局のところ行動中もさらにテント泊での就寝時においても、着ているウエアはL１からL4まで「ずっと着っぱなし」なのです。

それならば、保温着とL4ミッドシェル^®を1枚に合体してみてはどうだろう？

そうすれば、レイヤリングがシンプルになり、軽く、さらに動きやすくなるはず。小さな快適さの変化、かもしれないが、過酷なフィールドではそんな小さな快適さが心の余裕につながり、ひいては安全性を高めるのでは？

これが着想点となって、フロウラップ^®EXPの開発を目指したのです。

保温着とフロウラップ^®の合体

さらりと「合体」と言いましたが、実際にはそう簡単なものではありません。

まず、3層構造でできているフロウラップ^®生地を、表地とエバーブレス^®メンブレンだけの２層構造に変更した新たな表生地を作りました。
そして、裏地はL3ポリゴンアクトなどに採用している、吸汗拡散性が長く保たれる特殊なメッシュニット地を採用。
さらに、中にいれる保温材にはファイントラック独自開発のシート状立体保温材「ファインポリゴン^®」を2枚封入しました。

本品の構造を単純に言うならフロウラップ^®とファインポリゴン^®の組み合わせだが……

この構造によって、保温力はポリゴン２ULとフロウラップ^®を重ねた保温力とほぼ同等ながら、重量は約30g軽い仕様となり、狙い通り軽く動きやすい着用感を得られました。

さらに、完成したフロウラップ^®EXPをフィールドで使ってみると、L3とL4のレイヤリングと比較しても、汗抜けが明らかに良かったのです。

また、ベンチレーターの効率がさらに良い。
ベンチレーターがダイレクトにL2につながっているようなものなので、当然といえば当然ですが、開けることで一気にL2まで直接外気を入れることは大きなメリットと感じました。

保温性が高いだけでなく、衣服内温湿度の調整がしやすいというのは行動中のストレスの軽減につながります。
さらに細かいストレスの軽減を追求して、袖口に冷気や雪の侵入を抑えるインナーカフ、豊富なポケットなど、冬期・厳冬期の山で快適な仕様を備えていきました。
フードは、襟元にすっきり収納できる仕様にしました。

フード収納時。

冬山エクストリーマーたちへ

ここまで読んでいただいた方は、フロウラップ^®EXPはだいぶニッチなアイテムではないか？と思われたかもしれませんが、確かにその通りです。

使用を推奨する環境は、常に零度を下回るような冬期から厳冬期。
雪山登山やストップ&ゴーの多いアルパインクライミング、BCスキー等に適しています。

遊びの中で相川自身が「欲しい」と思ったウエアを創り上げたのがフロウラップ^®EXP。

気温や使い方はかなり限定的かもしれませんが、限定的だからこそ、想定した状況にマッチする遊び手には「すごく使いやすい！」と実感してもらえるアイテムだと思います。

だから、もし汎用性が高く、シーズンレスに一年中使えるL4ミッドシェル^®を望んでいるなら、迷わず定番アイテム「フロウラップ®」を選んでいただきたいです。

とはいえ、今シーズン新登場の「フロウラップ^®EXP」は、汗処理、保温性、防風性、耐水性など1着で様々な機能を盛り込んだ、まさにギア感たっぷりのウエア。

厳冬の山も、集中して遊びを楽しみたい、そんな遊び手たちにきっと満足してもらえるはずです。

（文／finetrack編集部）

フロウラップ^®EXP

L4フロウラップ^®の内側にシート状立体保温素材ファインポリゴン^®を2枚封入し、裏地にはL3ポリゴンアクトと同じ吸汗性に優れたメッシュ素材を採用した、確かな保温力と汗処理性能を備えた全く新しいインシュレーションタイプのミッドシェル^®です。

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