finetrackスタッフの、季節のフィールドでのお気に入りアイテムを定期的にご紹介。
今回のアイテムは、登山ガイド経歴ももつガチ山屋のスタッフが、トレーニングパートナーとして選んだあのトレイルランニング仕様のパンツ。実は秋冬の自転車、そして山にまで無限の可能性を秘めたパンツなんです!
記事: finetrackスタッフ マーケティング室 岩狭 勇士
山ばかりへ行っていた自分が、今は自転車にハマっている。
コロナ禍で外にも出かけられない中、子育てと相まって大好きな山へ向かえず悶々としていた1年前。ふと玄関に置いてあったロードバイクが目に入り「運動不足解消と心肺機能強化の為に乗ってみようかな」と乗り始めたのがキッカケ。20代前半の頃はヒルクライムレースにも出た事があるが、30代半ばも越えたここ数年は、山ばかりでほとんど乗っていなかった。
活動時間はもっぱら息子が寝ている間の夜も明けきらない時間帯。季節が進み、秋口になると早朝の気温はどんどん下がる。温かいサイクリング用タイツの購入も考えたが、あの締め付けられる感じが苦手で、山でもタイツを使う事はほとんどなかったので購入をためらっていた。
そこで目をつけたのが、トレイルランニング用に開発されたスカイトレイルパンツ。
トレイルランニングの様なハードなアクティビティを冬でも快適に行うギミックが盛り込まれたスカイトレイルパンツなら、サイクリングの様なアクティビティにもピッタリだと思った。
結果、既存のサイクリング用タイツに感じていた耐風性、体温調節、締め付け感などの問題が一気に解決してしまった。こんなにサイクリングにぴったりなパンツを使わないなんてもったいない。
1.ヒルクライムでも蒸れにくい
実際、使ってみると考えていた以上に使い勝手がよく、調子がいい。
その理由のひとつは、ヒルクライムで汗をかいたときの蒸れにくさ。スカイトレイルパンツは、秋冬のトレイルランなどで動き続けたときの快適性を実現するため、通気・高通気・防風の3種類の生地を適材適所に配置しており、それが自転車でも良い仕事をする。
ヒルクライムで汗をかいても適度な通気性のある生地で蒸れづらく、膝裏と股下の通気性の高い生地が効率よく熱気を排出してくれる。それでも暑い場合は、両サイドのベンチレーションを開ければより涼しく快適になる。
2.冬の下りも寒くない
ヒルクライムで登れば当然下りがある。
自転車での下りは当然のことながら跨っていれば進む。登山に例えれば差し詰め、キツいハイクアップをこなした後の強風吹き荒れる稜線といったところ。
当然、体はものすごい勢いで冷えていく。上半身は防風のジャケットをさっと羽織れば体が冷えるのを防ぐ事ができるが、下半身はそうはいかない。
スカイトレイルパンツなら、適材適所に配置した異素材の組み合わせがここでも活きる。風を受ける前面が防風素材になっている為、下りでの急激な体の冷えを防ぐ事ができるのだ。下りが終わり、また漕ぎ始める時にも足が冷えていなければ調子良くペダリングできるというわけだ。
3.パンツの着用ストレスなく、ペダリングできる
タイツの様に足を締め付けないのも気に入っている。締め付けは場合によっては血行を悪くし足先が冷える原因にもなり、パフォーマンスにも影響する。タイツは伸縮素材とはいえ、伸び縮みの際には少なからず抵抗があるので、それが何万回と繰り返されるペダリングでは小さな積み重ねが大きな疲労になる。
それが、スカイトレイルパンツなら締め付け感がなく、立体裁断と適度なストレッチによりまるで履いていないかのような動きやすさが魅力だ。何より着用ストレスを感じずに自然なペダリングが出来るのがいい。
この使い勝手が活きるシーンは、トレイルランニングや自転車以外にもあると思う。
個人的には、残雪期の山でも使いたい。例えば標高が低いところでは雪が少なく、稜線ではたっぷりあるようなシーンで活きそうだ。
半袖でも十分なくらい暖かい日なら、ボトムスはスッキリと1枚で登りたいがタイツ1枚で歩くわけにはいかない。そんなときの選択肢として、タイツ代わりに穿いてみたらどうだろう?
暑いのを我慢して、タイツ+アウターシェルパンツの重ね穿きをしなくて済むのではないだろうか。
それならスッキリ1枚で歩くことができるうえに、蒸れにくく適度に防風もしてくれて快適そうだ。稜線が近づいて雪が深くなれば、上からアウターシェルパンツを履いてしまえばいい。そんなときもゴム製のウエストでベルトやバックルがないため、スッキリ重ねられるのも良さそうだ。同じ理由から、GW頃のBCスキーのアプローチなんかにもピッタリかもしれない。
(もちろん本来の使い方ではないので、適切なシーンを見極める力と万が一の時にはしっかりと対処できる経験が必要とはなるが、可能性を感じずにはいられない。)
実際にそんな使い方をしているスタッフに聞くと、やはり「ムレにくく、軽くて快適」とのこと。ぜひ来シーズン、雪山に戻れるチャンスがあれば試してみたい。
昨シーズンは11月頃から4月頃までの間、自転車に跨る時は常にスカイトレイルパンツを履いていた。
振り返れば4000km以上はスカイトレイルパンツと共に走った。今年もまた、一緒に走ってくれる頼もしい相棒になってくれると思う。
スタッフ:マーケティング室 岩狭 勇士
2020年入社。
20代前半に登山が好きすぎて勤めていた会社を退職。
引っ越しのアルバイトとクライミングジムのスタッフを掛け持ちながら年間80日以上山に行き、縦走、クライミング、雪山、冬季登攀、BCスキーと1年中遊んでいた。
そんな日々から一転、これまで好き勝手やらせてもらっていたことが仇(!?)となりここ数年は子育てに追われて遊びに行けない日々を悶々と過ごし、もっぱら「早朝自転車野郎」と化している。近い将来、山に戻れる日を夢見て、日々のトレーニングは欠かさない。