中山・田中は、お酒と山をこよなく愛する居酒屋山行コンビ。
2022年の夏はうだるような暑さだった。
猛暑の関西を飛び出して、水と遊ぼう。沢だ!沢!
天気の具合とにらめっこして、中山が提案してくれたのは谷川連峰の名渓「ナルミズ沢」。
万年沢2級コンビの我々でも楽しめそうである。
せっかくだから、つめ後の稜線歩きも計画に入れて、白毛門登山口から東黒沢へ入渓し、ナルミズ沢へ進む周回ルートをチョイス。
2人とも谷川連峰は初めてだ。初見の山へ向かう時はいつも心がワクワクする。
はやる気持ちを抑えつつ、いざ、谷川へ!
谷川連峰に詰め上げる沢は数々あるが、その中でもナルミズ沢はエメラルドグリーンの釜が美しく、つめは「天国の草原」と称される名渓だ。
しかし「ナルミズ」の由来は「鳴る水」であるという一説があり、大雨が降ると一気に鉄砲水が発生するという。
おっそろしい。天候によくよく注意せねば。。
予報によると、天候が落ち着くのは8/9-10の2日間のみ。
この2日間に勝負をかけて、白毛門登山口を出発した。
登山口からすぐに入渓ポイントとなる。
どうも8月に入ってから雨の日が多かったらしく、明らかに水量が多い。
登山口から30分ほどの「ハナゲの滝」は最上部が増水でいやらしい感じになっていたので巻道を使用。
東黒沢はナメと小滝、釜の連続であるが、どうも濁っていてあまり美しくない。
水の流れる音も、癒し系というよりは、ちょっと猛々しいような。
しばらく行くと、ナメを取り囲む、立派なブナ林
ちょっと日も差してきて、いい感じだ。
美しい森を見上げ、深呼吸。
東黒沢を詰め、乗越すと、ウツボギ沢に入る。
それまでの渓相と変わり、水量も落ち着いて濁りもない。
おお!これこれ!この景色を期待していた!
ウツボギ沢からナルミズ沢の出会までは目と鼻の先。
ナルミズ沢の渓相は聞きしに勝る美しさだ。
火照った体を一気にクールダウン
エメラルドグリーンの釜を泳いだり・・・
小さくても立派な滝
連続する小滝を越えたり・・・
まさに夏のウォーターアクティビティ
天然ウォータースライダーで絶叫したり・・・
多いに遡行を楽しんでいた私達なのであるが、その日の夜に「ナルミズ」の洗礼を受けることになってしまう。
昼過ぎから雲行きがどんどん怪しくなってきた。
日の入りと同時にとんでもない大雨が降ってきて、清流がみるみる濁流と化す。
本当に15分位の出来事ではないだろうか。
ゴウゴウゴウゴウと、まさに「鳴る水」。
沢底で石が転がる音や、濁流がぶつかる音で眠れたものではない。
寝不足で向かえた翌朝。
水は少し引いているものの、水量は明らかに多い。
しかもヘルメットを流失という、やってはならない失態をやらかしてしまった。
これではダメだ。予定変更だ。
「天国の草原のツメ」は諦めて、大石沢分岐より登山道に乗り、朝日岳へとルートを変える。
朝日岳山頂直下は夏の日差しに輝く美しい草地が拡がっており、これはこれで「天国の草原」かも。
名残惜しいがおかげで美しい景色にも出会えた
朝日岳から笹ケ岳、白毛門への縦走では、クライマーの聖地「谷川岳 一ノ倉」の雄姿が大パロラマとなって目前に現れた。
きっと数多のクライマーが陶酔し、目を輝かせる風景だろうが、いかんせん私達からは「オー!スゲー!怖ぁっ!」という真に貧相な言葉しか出てこない。
つくづく垂直系の岩登りには向いていないコンビだと思う。
帰りは新潟から日本海周りで車を走らせた。
想うはナルミズの美しさと、わずか15分で豹変した沢の恐ろしさだ。
つめに行けなかったのは心残りであるが、何より安全を最優先して仕方のない選択だった。
いつかリベンジしよう。
新潟といえば、我々のパラダイス(※酒屋)が潤沢である。
塩沢で素晴らしい銘酒と出会い、名物へぎ蕎麦を堪能し、魚沼でコシヒカリの絶品おむすびを食べ、十日町の名湯で英気を養い、ちょっぴり悔しい思いを忍ばせつつ、深夜の高速道路を駆け抜けたのであった。
灼熱の夏でも、沢の水はびっくりするほどに冷たい。だから、沢では「長袖」のドライレイヤーが欲しくなります。このブラトップは、長袖にブラの前身頃がくっ付いた構造。背中や脇を固める布が最小限になっていて「ブラ+長袖」の重ね着と比べて、締め付け感が圧倒的に少ない! 身に着けてるのを忘れてしまう程です。加えて、ドライレイヤーベーシックの約1.5倍(※)温かい「ウォーム」素材なので、ずぶ濡れになるシーンでも安心。沢登り、シーカヤック、雪山と、気付けば年中出番があり、2着をローテーションして使っています。
(※クロー値による)