白山中腹に雪のある時期のみ姿を現すという「幻の滝壺」。
このフレーズ、聞くだけでワクワクしませんか?
どうやら百四丈滝(ひゃくよじょうのたき)と呼ばれる山奥の滝でその滝壺が形成されるそうです。
今回はその滝壺を求めて石川まで行ってきました!
■アクティビティ日:2023年4月1日~4月2日
起点となるのは一里野(いちりの)スキー場。
例年より融雪が早いようで、夏道であるハライ谷登山口から6:30スタート。緩急のメリハリがある長めの登り、始終快晴でTシャツ1枚でも暑いくらいだった。
3時間ほど進むと、当山行のピークまで伸びるエッジの効いた雪庇稜線に出る。
雪が脆く、至る所に全層雪崩寸前のクラック。真横の雪庇に踏み入れないよう神経を使いながら小ピークを繋いでいく。
クラックの入った雪庇スレスレを進む
なんとか奥長倉の避難小屋に着くがすでに6時間が経過。
ここから先が今回の山行の醍醐味。泊まりの荷物を小屋にデポし、ザックを軽量化して再出発。
小屋を後にすると「美女坂」という急登が目の前に。出発前にはどんな美女かと期待するも、ビンタを受けたように言葉を失ってしまった。「なんでこれが美女なん?」と文句を言いたかったが、息が切れてそれどころではない。
トップまで登ると360度雪山パノラマ。うん、この景色なら、労力分を取り返したかな!
美女坂の先にある緩やかな雪原で気分転換
と、ここまでで満腹の山行ではあるが、今回の目的は「幻の滝壺」。
そろそろ滝壺が見えてくる頃かな?
あ!見えた!すげー!!
……
なんと300m眼下に…
滝壺が大きいため近く見えるが、実際は300mの下り
このときはやっと拝むことができた滝壺に興奮を抑えきれず、後のことは考えないようにして、とりあえず目の前の雪原を降りた。
近づくと大迫力!90m上方からのフリーフォールで、しぶきが顔を濡らす。このしぶきが凍り、少しずつ巨大化していくことで「氷の壺」を形成するらしい。
それはまるで滝を呑み込むために成長するモンスターのようだった。
ヒトと比較すると滝壺の巨大さが顕わに
ひとしきり満喫し、そろそろ戻るかと振り返ると先程まで考えないようにしていた下り坂はただの急登と化していた。
やっとの思いで美女坂のトップまで戻ると、避難小屋は近かった。
小屋に戻ってからはイグルー(雪のブロックを積み上げた簡易住居)作りの練習に励む。
イグルーと共に夕暮れを見守る
イグルーを作り終えると、ササっと快適な小屋に避難し、ご飯を食べて就寝。
夜中も始終快晴で満点の星空。
天の川と奥長倉避難小屋
翌朝は飲み水を作り、お世話になった山々に別れ告げて9:30には下山。
四塚山を遠目に別れを告げる
帰路は白峰温泉と越前そばで優勝!
以上、残雪滝壺ツアーでした!
ドラウトクアッド ロングスリーブ
山行中はずっと快晴。辺りは雪に囲まれているが、照り返しの中行動していると雪山といえどもやはり暑い。そんなときには定番のウールもいいが、ドラウトクアッドが秀逸だ。吸汗・速乾・通気・生地強度のどれか1つを極めるのではなく、全てをバランスよく高めた1枚。数あるfinetrack製品の中でも私がダントツでオススメする製品である。来たるサマーシーズンに向けてぜひご活用ください!