春、水遊びには肌寒い日が続くが、なんとしてもSUPに乗りたい気分。
寒いなら暖かいところに行けばいい。であれば、南紀でとびきりの清流を漕ごうじゃないか!
そんな発想で和歌山県の南紀エリアでダウンリバーSUPを楽しむことにした。
■アクティビティ日:
・2023年4月8日 古座川支流小川
・2023年4月9日 熊野川支流赤木川
4月8日 古座川支流小川
初日は本州最南端のほど近く古座川に向かった。
古座川といえば、国指定の天然記念物である「古座の一枚岩」が有名だが、今回のコースは一枚岩のある本流ではなく、支流の「小川」だ。小川はツーリング可能期間が定められている。
そのうえ、浅い区間が多く、ある程度の水位がないと快適に下ることができない。しかし条件さえ揃えば、素晴らしい川下りを味わえるという。今回はまとまった降雨のもと、絶好の機会に恵まれた。
プットイン予定地の上部にある名勝「滝の拝」で水量を確認すると、想像以上に水位がある。安全策で予定地からの出艇を見送り、改めてプットインできそうな場所を探すことに。下流に車を走らせ、橋をいくつか見送った地点から出艇することにした。
滝の拝の強い流れ
今日のコンディションでは出だしから連続して瀬が続くため、プットイン地点で入念にフェリーグライドやエディーキャッチを繰り返し、体を慣らしていく。
朝一の乗艇
上流部はとにかく瀬を漕ぎ下る。岩絡みで形が悪い流れや浅い瀬はスカウティングし、無理せずボードをポーテージ。
スカウティング
ポーテージ
どこまでも川が蛇行し、小粒ながら楽しい瀬を提供してくれる。
蛇行する川の流れ
しばらくすると、人の手が入らない隔絶されたセクションに入る。川下りでしか訪れることができない空間だ。一面の新緑と清らかな水の流れに穏やかな気持ちになる。
自分たちしかいない空間
徐々に川幅は広く、トロが長く続くようになる。
川幅が広くなる
下流部に差し掛かり、水が翡翠色に変わった。本流と合流し、しばらく漕いでプットアウト。
翡翠色の流れ
小川は噂に違わぬ名川であった。
新緑の森と翡翠色の流れのコントラストが印象的で、特に隔絶されたセクションが美しい。今回は水量が多かったため、水の透明度こそ落ちてはいたが、代わりに瀬下りを満喫できた。また、流石は本州最南端。期待通りの暖かさで夏を先取りした気分だ!
※デポする時の駐車で私有地を避けることや、ツーリング可能期間の注意など地元への十分な配慮が必要です。末長くフィールドを楽しむためにもご留意いただけますと幸いです。
4月9日 熊野川支流赤木川
古座川の翌日は熊野川支流赤木川へ。
熊野川の中でも「熊野本宮大社」と「熊野速玉大社」間の流域は、古来、川舟で往来された歴史から川の参詣道と呼ばれ、世界遺産熊野古道に数えられる。
今回は、そんな歴史ある熊野川流域に注ぐ清流「赤木川」から熊野川本流に至るコース。
今度こそ、透き通った流れを、碧い水を見たい。そう意気込む私たちを迎えてくれたのは、圧巻の清流。
爽やかな碧い水
水底にボードの影が映るほどの透明度
水温は多少冷たいくらいで、心置きなく瀬にトライできる。
バランスを崩し
落水
水が綺麗というだけではしゃげる。それほどに赤木川の流れは清らかだ。
森と清流
水底を覗けば魚の群れ
あっという間に熊野川本流に合流。合流点は赤木川の水が流れ込むため水が透明だが、ほどなく熊野川特有の白濁した色に変わる。
熊野川本流と赤木川の合流点
緩やかな流れにリラックスムードだったが、本日最大の瀬が登場。最後の最後でたっぷりと泳がされた。
熊野川本流の流れ
赤木川の水は澄み、どんなに深い淵でさえ水底が見える。
瀬が放つ白い気泡と碧い流れはラムネのようで、新緑の森や沈下橋の眺めには原風景をみた。
期待以上の体験が嬉しい反面、これ以上が望めるのか不安を抱くほどだが、熊野川の雄大な流れを見ているとそんな考えも霧散する。
また熊野を訪れるのが楽しみで仕方がない。清流に魅せられた春のリバートリップ。
※デポする時の駐車で私有地を避けることや、漁期など、地元への十分な配慮が必要です。末長くフィールドを楽しむためにもご留意いただけますと幸いです。
フラッドラッシュ®ジップネック
SUPでは落水することもあるが、ボードの上に乗っている時間が長いため、水中保温性と陸上での快適性のバランスに優れたフラッドラッシュ®が活躍する。今回のレイヤリングではドライレイヤー®とフラッドラッシュ®をベースに、風除けとして生地密度が高いラピッドラッシュ®を上に重ね、適宜ネオプレンベストを着用。状況に応じてウエアを調節できるのがウォーターレイヤリングの大きな強みだ。