ここ数年は毎年のように天気に悩まされているGW。
今年も例外ではなく、晴れ間が見えそうなのは数日だけの予報。
オフィスでそんなことを話しているとGWに四万十川のダウンリバー行くという話が聞こえてきた。メンバーはリバー熱が盛り上がっている岩出を筆頭に樫本、山本、大森とほぼ同世代が集まっていた。
そんなの絶対に楽しいじゃないか。
行先に悩んでいたところにそんな計画を聞いてしまったからには参加以外の選択肢はなかった。
とはいえ、SUP初心者の自分が行けるのか。という不安がないわけではない。むしろ大きい。
ダウンリバーアクティビティの大先輩スタッフ三宅の力も借りて事前にSUPのイロハを宇治川で教えてもらい迎えた本番はいかに。
■アクティビティ日:2023年4月30~5月2日
■4月30日
そんなこんなで迎えたGW。
計画初日の4/30は前日までの雨もあり、増水は必至なので移動日。
四国のうまいものに舌鼓を打ちつつ、宿に向かう。
高知と言えばカツオのタタキは外せない
宿についたところで買いだしと翌日からの準備。
テイクアウト地点に車をデポし、プットイン地点の江川崎まで1台で向かうためSUP組は艇を膨らましてルーフに括り付ける。
各自パッキングを済ませた後は、ひとときの団欒。
久しぶりの連泊遊びとあって翌日からのワクワクに話の花が咲く。
■5月1日
川の水量は幾分さがったものの、まだ平常時よりは多く流れも早め。
加えて初日の行程は20kmほどと楽な行程なので遅めの出発。
テイクアウト地点到着は10時。
準備を整えいざ!
この先にあるのはワクワクか、ドキドキか。
待ち受けていたのはドキドキのほう。
今回の行程で一番の瀬がそうそうにお出まし。
明らかに増水していて流れも速い。
空荷なら突っ込むか一応悩むところだが、今は荷物が満載。沈してひっくり返るのだけは避けたい。
幸い水量が増えていたおかげで右岸側にエスケープがとれたので、迷うことなくこちらを選択。早々に沈することは避けられた。
いきなりの難所に焦ったが、それからは四万十の雄大な流れに「身」ならぬ「SUP」をゆだねる。
山とは違った僕らだけの景色を満喫。
今回の川旅でもっとも気を使ったのが荷物とそのパッキング。
積載量が限られるSUPにいかに宿泊装備を積むか。
必然的に軽さとコンパクト性が最重要になる。
これには山で培った軽量化の知識と経験、そして少ない荷物でいかに快適に過ごすかといったことがものすごく活きた。
山旅と川旅でフィールドは違えど同じなんだなと感じ、すこし川旅が身近に感じたのであった。
これでもかと軽量化して30L程度に抑えた荷物
しばらく四万十の流れにゆだねていると徐々にSUPに体が馴染んでくる。
瀬で積極的になっているところにまるで四万十川に「調子に乗りすぎだ」と言わんばかりに沈。
川岸にあたって発生した逆向きの流にに誘われそうになりバランスを崩して沈
幸い、艇はひっくり返らず再乗艇。
ずぶ濡れになると何も気にならなくなるのが不思議。
そして、無性に楽しくなる。
ここでも四万十川に「もっと楽しめよ」と言われた気がする。
流れの赴くまま、時に橋の下をくぐる
岩間沈下橋の直前で一旦上陸して腹ごしらえ。
優雅なランチタイムとなるはずだったのだが、山本の「鍵おいてきた」一言で状況が一変。
ゴール地点にデポしてきた車の鍵をプットイン地点に置いてきた車に忘れたというのだ。
まさかのまさかである。
これではゴールに向かうこと自体が自らの首をしめる苦行だ。
車を置いたプットインポイントまでは8kmはある。
突如として逼迫した状況となったが、山本は100マイルレースの完走経験もあるトレイルランナー。
「走ってとってくるわ」とさらっといってのけたのだ。
8kmなんてのはランチ後の運動に丁度いいのか。
さっそうと走っていく姿がかっこよすぎる。
とはいっても返ってくるまでは数十分はかかるだろう。
待っている間に風が強くなり、寒くなってきた。
太陽の温かさを求めうろうろしていたところに山本が帰ってくる。
無事に帰りの手段を確保し、再び四万十へ漕ぎ出す。
いざ、マイル?
これ以降も適度な瀬とトロ瀬が交互にでてきて気持ちよく下る。
本日の予定はまだ12kmもある。時間はすでに14時過ぎ。日は長くなったものの日が落ちる前にキャンプ地を決めて上陸しなければ夜のリバーSUPなんてさすがにごめんこうむりたい。
とはいうものの、明日は海からの強い南風が吹く予報。太平洋に向かう僕らにとっては向かい風になりSUP組にとっては最悪の条件。計画を続行できなくなる可能性もあり、可能な限り行程を進めておきたいところなのでキャンプ候補地を探しながらできる限り下る作戦を取った。
ここをキャンプ地とする!
17時前によさげなところを見つけたのでそこで野宿することに。
宿はタープで雑魚寝。
すでに風が強くてタープを立てるのに一苦労
川原でのキャンプは小学生の時以来。
夜は持って来たわずかながらの酒で乾杯。
不慣れな水系アクティビティで疲れた体はせせらぎに誘われて早々に眠りに着く。
■5月2日
日の出とともに起きだし、朝ごはんの支度を始める。
5月の高知と言えども朝の気温は低かった。
朝ごはんのあとタープを撤収して四万十の川旅2日目の始まりだ
残りは約20km
勝間沈下橋に差し掛かり、上陸。
ひとときの観光を楽しむ
沈下橋でジャンプ!なんて青春っぽいことも
雨から2日が経ち、ずいぶん水量が下がった様子。だいぶ下ってきたこともあり流れも穏やかになり漕がないとなかなか進まない。
風もそこそこあり、1日目とは一転して漕ぎの日に。
なんとか佐田沈下橋までたどり着いたところで時間は丁度昼時。
ちかくにうなぎ屋があるらしく寄りたいのだが店がある右岸には岸際に瀬があって上陸できそうにないない。
泣く泣くうなぎ屋を諦めることに。
ここ以降はしばらくトロ場が続き、ひたすらに漕ぐ。
風が強く、シングルパドルのSUPは遅々として進まず、SUP同士の岩出と力を合わせて漕ぐ。
風波が立つ中をムカデになり全力で漕ぐ
漕ぐ手を休めたときに聞こえるのは清流の調べ
目を瞑れば風の音とと鳥のさえずりしか聞こえない。
いくつもの沈下橋をくぐり
疲れてきたころに待望の流れが!
四万十の流れに助けられながらラストスパート。
車を停めた駐車場に近づいてきた!
最後は流れから離脱して岸に寄せて・・・
無事テイクアウト地点に到着!
最後はみんなでぱしゃり「お疲れ様でした!」
久しぶりに仲間と連泊で遊ぶことができてめちゃくちゃ楽しかった。
自然の中で遊ぶことの楽しさをまた一つ教えてもらった。
これまで山の遊びしかしてこなかったが、川の遊びも面白い。
ただ、山と違って読めないリスクが多いので新たなリスクマネジメントを勉強しなければ。
山以上に持っていけるウエアが限られるためポリゴン2ULが大活躍。シェルの下に着込み、落水しても水切れの良さで不快になることなくパドリングに集中できた。上陸してもそのまま着続けられ、そのまま寝れば、翌朝にはすっかり乾く。濡れることが当然の状況でファインポリゴン®ほど心強いものはない。
着替えまで軽量化した川旅では濡れたまま入れるシュラフは必須だった。ダウンシュラフでは入ることすらためらう状態でも温かさをキープ。保水のしにくさと通気性は明け方になっても乾いているかと思うほどの快適性。シュラフカバーを併用することで保温力も十分だった。