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9/222023

北欧・スウェーデンのロングトレイルを歩く ~クングスレーデン ( ニッカルオクタ ー アビスコ 約110km )~

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随分前に調べた世界のロングトレイルの中で、何故か心を掴んで離さなかったスウェーデンのロングトレイル「クングスレーデン」。掲載されていた写真の美しさなのか、興味を掻き立てる紹介文のせいなのか。とにもかくにも現地で第六感までフルに使いこのトレイルを歩きたい。
そんな思いから決めた遠征の日程は、女子ワールドカップ準々決勝 日本 VS スウェーデンと丸被り。フットボール好きとしては最高に運命を感じるこの偶然に、今回の旅路への期待感が高まる。灼熱の関西国際空港からズラタン待ち受ける(もちろん待ってはいない)スウェーデンへと旅立った。

■アクティビティ日:2023年8月12日 ~ 8月16日

赤枠で囲われた部分が今回歩く予定のトレイル

クングスレーデンは南北に延びる全長440㎞のロングトレイル。今回はその中でも最北部に位置するニッカルオクタ~アビスコ間(約110㎞)を北上するセクションハイクを計画。

キルナ空港

スタート地点のニッカルオクタアクセスのため降り立ったキルナ空港。

「涼しい、いや、、これ寒くねーか?」まだトレイルに入っていないにも関わらずガッツリとポリゴン2UL+エバーブレス®レグンを着用。カラりとしていて最高に快適な気候に、記録的猛暑で寝苦しかった日本の夜を忘却。そしてキルナ空港からスタート地点へのニッカルオクタにバスで移動し、今回のトレイルヘッドに遂に到着。(常々感じる目的地までのアクセス核心、海外の場合ここで旅の9割を達成した感覚に、、)

ハイカーで賑わうニッカルオクタ

ニッカルオクタに到着したのは17時。普通であれば翌日スタートとするところであるが、このまま歩き始めても問題ない。そう、北極圏に片足を突っ込んでいるこの地域は6~8月は白夜なのだ。白夜の時期が終盤に差し掛かっている8月でも夜中は「かたわれ時」くらいの明るさでヘッドライト無しでも歩けるほど。売店で行動食、現地マップを購入し、いざ「王様の散歩道」にお邪魔する。

まだまだ明るい18時頃(スタート1時間後)

最初のセクションはニッカルオクタ~ケブネカイセ。意気揚々と歩き始め、日本とは違う植生や周りの山の形に、日本からの総移動時間30時間超えで悲鳴をあげていた身体(主に腰)の痛みも忘れ、足取り軽くトレイルの一歩一歩を噛みしめながら進んでいく。

湖もやたらと雰囲気がある

とはいうものの、「横になりてー」というリトルボーイの純粋な声に従い2-3時間程度歩いた地点で幕営することに。

なんとなーく決めたテン場

「テント場はどこよ?」

ここがクングスレーデン推しポイント!クングスレーデンは国立公園等一部禁止エリアを除き、どこでも幕営してOKなのだ。

「疲れたから予定地よりもはるか手前で幕営、何かイケイケだからもっと先まで進んだところで幕営」なんていうのも可能。

さらには水場も豊富でガブ飲みフィーバー。(不安な場合は煮沸や浄水等してください)

世界中のハイカーにとってクングスレーデンはまさにサンクチュアリなのだ。

ここから100㎞どんな景色が待っているのか?ワクワク興奮しすぎて寝れないかと思いきや、圧倒的移動疲れと睡眠不足で秒殺入眠。

2日目、テント回収後歩き始め1時間後の朝食ポイント

2日目はケブネカイセ~サルカ間の横移動。

快晴の空のもと、ばっちり休めた身体で踏み出す一歩が最高に軽い。目に飛び込んでくる北欧独特の自然風景にボルテージMAX。

「この景色はグラサン越しに見てる場合ではない」とサングラスをとったが、さすがに眩しく直ぐに装着。

永遠と続く爽快なトレイル

クングスレーデンは全体を通して起伏が少なく、割合フラットなトレイルが続く。「急登垂直萌え」の人からすると少し物足りないかもしれないが、そんな不足感を余裕で埋め合わせるほど壮大な景色が無限に続く。

岩・水・緑のバランスが何とも言えない

トレイル全体を通して15~20㎞置きくらいに山小屋はあるものの、食糧や燃料が買えるショップ併設の小屋は限られるため、下調べは必須。

しかし、調べた情報が古かったのか、下調べの段階で買えるとアタリを付けていた小屋がショップ併設でなかったりしたので、スタート地点の現地インフォメーションで最新情報を入手することをお勧めする。

 

2日目はそのまま歩みを進めシンギ小屋5㎞程先で幕営

若干、雨風が強まるものの、テントをちゃちゃっと設営&晩御飯を済ませてこの日は就寝。

翌朝、テントの外に出てみると

待ってましたトナカイ

北欧に来たんだな~としみじみ実感。

3日目はサルカ~アレスコヤーレ。

今回の旅でこのセクションが個人的ハイライト。

曇天萌え

雨上がり直後

これだよクングスレーデン!正に王様!!

凄まじい興奮の傍ら、雄大悠久の自然に心身が解けていき、何とも言えない落ち着いた心境に。

次々と目に飛び込んでくる絶景

「自然って尊いな~」と柄にもなく想い耽け、心の中で大地讃頌。

アレスコヤーレ テン場

そしてこの日は密かに温めていた計画があった。なんとクングスレーデンに点在する小屋の中にはサウナ併設の小屋があり、幕営地のアレスコヤーレ小屋にはサウナがあるのだ。流石はサウナ大国フィンランドの隣国!finetrackサ道部副部長として、これは入るしかない。「どれだけロウリュウしてやろうか」と鼻息荒くスタッフにサウナについて確認したところ、「1週間前に胃腸炎が流行ったから今閉鎖中だよ」とのこと。

うん、健康が一番!!ビールを身体に流し込み、グレートな景観のテン場でサクッと就寝。

 

翌日はアレスコヤーレ~アビスコヤーレ手前までのハイク

このセクションハイクも終盤に差し掛かり、怒涛の絶景が眼前に押し寄せてくる。

このセクションでは真昼間にも関わらず幕営の準備をしている人も。こんな絶景の中、朝を迎え、起き抜けの珈琲でもシバきたいのであろう、激しく共感できる。

グッドルッキングビュー

ちなみにスウェーデンはコーヒーの消費量が世界的にみて高く、コーヒーとマリアージュさせる焼き菓子や甘~いお菓子がとっても豊富。

アレスコヤーレ小屋で販売されていたビスケットとチョコレートなのだがこれが最高に旨い。私は大の甘党でこの味わいに陶酔。ここから帰国するまでの間、一日にビスケット一本、チョコレート一枚を消費することに。

甘々お菓子たち

この日はアビスコヤーレ小屋まで行きたいところだが、アビスコヤーレは国立公園に属しているため幕営地が限られる。そのためほとんどのハイカーが国立公園の敷地手前で幕営する。この日はここ数日でも珍しいテント村が出現。世界中の色々な型のテントに興味深々、チョコレートを頬張りながらウロウロ徘徊。

賑わいをみせるテン場

明日が最終日となるため、テント泊は今夜が最後。この世界観でのテント泊を噛みしめながら眠りにつく。

最終日朝

最終日、アビスコヤーレ~アビスコへのウイニングロード。

最終日は曇り時々雨ではあったが、自分の中では「これぞ思い描いていた北欧の曇天!」とテンションは右肩上がりのままフィニッシュ地点のアビスコに歩みを進める。

雲があるとより一層凛々しい岩肌

景色が徐々に変化していき、ゴールの気配が色濃くなる。

アビスコからのデイリーハイカーも増え始め、ゴールラインはもうすぐそこ。

あとちょっと

110㎞の旅が終わった。

ゴール地点モニュメント

トナカイたちもお出迎え

同じセクションを歩き切った他のハイカーたちも旅の無事と達成感に浸っている。

そしてここで朗報が。アビスコの施設にサウナがある。しかもここでは胃腸炎は流行っていない。サウナ入る以外の選択肢はこの世界中のどこを探しても見つからない。世界のサウナーとの交流、、、かと思いきやそこのサウナに入ってくるのはサウナレベルMAXの猛者達、サウナストーンへの水の掛け方が半端でない。今まで見たことのない速度でサウナの温度が上昇、「これが世界基準なのか・・・」今回は2ターンで終了。水風呂なかったからな~と苦し紛れの言い訳をしてみるが、自分の実力不足を実感。まだまだこれからだな、と今後のサ活邁進を固く誓う。

※サウナは気持ちよく入るのが一番です。自分に合った適度なペースで楽しみましょう!

今回は最北部110㎞のセクションハイクであったが、クングスレーデン完歩まで残り330㎞。ルート南部にはどんな景色が待っているのだろうか。次は竿を持ってきて釣りもいい、MTBに乗って全セクションスルーもアリ、冬季にきてBCを楽しむのも大アリだ。

帰路に就く頃には、いつも通り次の遊びの計画を立てていた。

遊びのMVPアイテム

カミナ®ドーム2

長期縦走の際は体力回復がキーポイント。カミナ®ドーム2は収納性+軽量性に加え、テント内の空間が広く圧迫感を感じずゆったり休息することが可能。

カミナ®ドーム2の商品情報へ

執筆者:カスタマーサービス課 三井 太成

2021年入社

坂の町神戸の中でも激急登のドン詰まりに住んでいるため毎日の自転車通勤がトレーニング代わりに。考える前に遊び道具を購入してしまうため日々のお財布事情は穏やかではない。

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