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【イベントレポート】【登山道を守る人を応援する】「ランナーとしてトレイルをどう保全するか」登山道整備トークイベントVol.2

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finetrackとドライレイヤー®から山への恩返しとして、みなさんがこれまで歩いてきたトレイルの整備をサポートしたい。
そんな思いから、finetrackでは「登山道を守る人を応援する」プロジェクトを始動。
購入金額の5%を登山道整備の支援に充てるfinetrack×YAMAP別注ドライレイヤー®ベーシックTの発売と、
登山道整備に必要な知識を得るための講習会イベントの実施をしています。

今回は直営店finetrack TOKYO BASEにて4月~6月に計3回実施するトークイベントのうち、
2回目となる《【登山道を守る人を応援する】「ランナーとしてトレイルをどう保全するか」登山道整備トークイベントVol.2》のレポートをお届けいたします。

イベントは5月18日(土)finetrack TOKYO BASEの2階にて開催。山梨県山中湖村にて「NPO富士トレイルランナーズ倶楽部」の代表理事として活動している 三浦務さん、長野県木島平村を舞台に開催されるトレイルランニングレース「奥信濃100」の実行委員長を務めるトレイルランナー 山田琢也さん、東京・高尾を中心にトレイルランナーのマナーを啓蒙する「高尾マナーズ」の創立メンバーである編集者 内坂庸夫さんの3名をパネリストにお迎えし、トレイルランナーの視点からトレイル整備について思う存分、語って頂きました。

イベントは3部制で、第1部では三浦さんよりNPO富士トレイルランナーズ倶楽部の活動紹介を、第2部では山田さんより木島平での奥信濃100の意義やロングトレイル整備の活動紹介を、第3部では三浦さん、山田さん、内坂さんによるトークセッションを実施。

第1部の三浦さんの講演では、コロナ禍をきっかけに団体の性質が
「大会運営」から「富士山麓のフィールド保全活動」にシフトチェンジする中での取り組みを紹介。
・大雪山で先進例のある近自然工法の考え方との出会い
・登山道整備後の経過観察と追加整備の必要性
・共通目標「石割山2030」を策定
・国立公園の成り立ちと登山道整備に求められる関係機関との利害調整
上記について、わかりやすく、深く伝えていただきました。


石割山の登山道整備にかける情熱をわかりやすく、時にユーモアを交えながら語る三浦さん

第2部の山田さんの講演では、「奥信濃100」の説明や整備を行う古道の紹介、近自然工法の考え方を知ったきっかけや、木島平がかかえる課題、奥信濃100が目指す地域への貢献などが語られました。「単なるトレラン大会の開催だけではなく、地域を見つめ直し、今ある資源をより多くの人に活用してもらい、昇華する手法を今なお、突き詰めている」「新しい遊びの1つとしてトレイル保全を楽しんでほしい」と笑いを交えながら語っていただきました。


奥信濃を走る時、登山道周辺の植生を観察することが多くなり、豊かな時間を過ごしていると語る山田さん


「体力のあるトレイルランナーだからこそ、できる整備活動があり、苦しいことに慣れているトレイルランナーだからこそ、協力できることがある」と強調する山田さん

「今後は、登山道整備団体を立ち上げ、近自然工法の発想を用いた整備団体を招き技術習得、トレイル保全のための資金調達を行っていきたい」「おのおのの地元の登山道や参加する大会エリアでの整備活動にぜひ参加してほしい。何よりも面白いし、達成感がある」と目を輝かせながら参加者に伝えていました。

第3部のトークセッションでは、内坂さんの進行で三浦さん、山田さんへの質疑応答を実施。
・「トレイルランナーが今日から実行できる行動変容とは?水たまりは避けずにまっすぐ走るべきか」
・「悪天候時のトレイルランニング大会の開催基準や判断ポイント」
・「登山道の荒廃についての判断基準」
・「登山道整備のイベントに参加する際、参加者が気を付けるべきポイント」
など質問が行きかい、トレイルランニングの大会運営者だからこそ答えられる整備や大会運営について議論を交わし、各質問にたいして三浦さん、山田さんが丁寧に答えてくれました。


普段は語られない大会運営の苦労話や整備の裏側にお客様も興味津々で、三浦さんのユーモアたっぷりのお話に会場は暖かい雰囲気に包まれました


内坂さん、三浦さん、山田さんのトークッションはトレイルランニングの大会運営とトレイル保全を中心に盛り上がりました

約3時間の長丁場、最後まで質問が絶えることなくトークが繰り広げられ、あっという間にイベントが終了。普段はあまり語られることのない新しいテーマだからこそ、まずは、トレイルランナーが現状の枠組みの中で、主体的にかかわり、トレイルを少しずつ良くしながら、新しい仕組みを築いていきたいと訴えた三浦さんの話が印象的でした。

トークイベントを終えて、パネリストの3名から感想をお聞きしました。

三浦務さん(NPO富士トレイルランナーズ倶楽部)
登山道整備の現在の状況について、誰が悪いということではなく、登山者・利用者が知らない事実を今回のトークイベントでお伝えしました。登山道として管理されたトレイルで、単に利用者として遊ぶのも楽しいと思いますが、利用するだけでなく、保全する側の活動を一緒に行いましょう。

山田琢也さん(奥信濃100実行委員会)
今回はトレイルランナー向けのトークイベントでした。自分もトレイルランナーとして活動する中で、登山道整備の活動を始めました。今日のトークイベントに参加して、皆さんにとって登山道整備のきっかけになれば、嬉しいです。8月に木島平で開催する登山道整備のイベントで、お待ちしています!!

内坂庸夫さん(Tarzan Trails)
今回は、前回とは違った意味でまた新しい視点でトレイル整備の話でした。特に、関係各機関との利害調整や許認可の手続きの難しさ、国立公園内でのトレイル大会開催の難しさなどは大会関係者だからこそ語れる内容でした。登山道整備の活動をしたいと思う方は、自分たちだけでできる活動ではないので、きちんと活動している団体のイベントに参加して、まずは、体験してほしいです。


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