秋の訪れとともに山々が鮮やかに色づく。美しい紅葉と絶景を求めて黒部峡谷・下ノ廊下へ。
急峻な断崖を進み、黒部川の清流と紅葉を楽しみながらたどり着く阿曾原温泉は訪れる者に癒しを与え、黒部の大自然が堪能できる場所です。
奥鐘山の岸壁を眺めながら、登山道を開拓してきた方々に深い感謝と祈りを捧げ、自然の偉大さを感じる山行でした。
■アクティビティ日:2023年10月17日~10月18日
登山を始めたころから、山と合わせて訪れたい温泉があった。それは、高天原温泉、湯俣温泉、阿曽原温泉。
いつか訪れた高天原温泉では、温泉と黒部源流の交代浴を楽しみ、3年前には湯俣温泉でゆで卵を作りながら温泉を楽しんだ。そして、阿曾原温泉だけが未訪問のまま、時だけが経過してしまった。
長らく阿曾原温泉を訪れることができなかったことには、理由がある。
登山しながら写真を撮ることが好きなため、阿曾原温泉に行くならば紅葉の時期と決めていた。
阿曾原温泉のある下ノ廊下の登山道は、雪に閉ざされている期間が長く、さらには紅葉のタイミングと相まってスケジュール調整の難易度が上がり、訪問が後回しになっていた。
時間だけが経過する中で、黒部宇奈月キャニオンルートが開通するニュースを耳にする。
今後、宇名月、欅平がさらに混雑することが予想されるため、2023年紅葉シーズンは阿曾原温泉と決めた。
紅葉の進捗具合を確認しながら、また黒部から欅平までの登山道の開通を気にしながら登山計画を練り上げた。
休みのタイミングが合い、待ちに待った阿曾原温泉を訪れることができた。
黒部ダム付近は紅葉のピークで、なおかつ快晴の登山日和。
立山に雪がつき、紅葉とのコントラストにみとれる
ちょうど前日に降雪があり、雪の白、紅葉前の緑と紅葉後の赤という三段紅葉を満喫できた。
急峻な岸壁にへばりつくように細い登山道が整備されている下ノ廊下
阿曾原温泉までは「黒部に怪我なし」といわれるほど急峻な崖が続く。登山客とのすれ違いに気を使いながら、また紅葉を満喫しながら登山道を進んだ。
紅葉と黒部川にみとれながら歩みを進める
黒部川の美しさと紅葉を味わいながら進む。いつもよりのんびりとした登山になるも、なかなか訪れられる場所ではないので、絶景を瞼に焼き付け夢中でカメラのシャッターを切った。
大迫力の十字峡、圧倒的な水量
途中、黒部の激流同士が合流する十字峡の大迫力を堪能。前日に小説「高熱隧道」を読んだからか、黒部への思いがさらに熱くなった。先人たちが命がけで切り開いた道に感謝しながら歩みを進めた。
阿曾原温泉のテント場。この日は混みあうことなく、快眠のテントライフ
阿曾原温泉に到着後、居合わせた警備隊の方がファイントラックの大ファンで、カミノパンツとストームゴージュアルパインパンツの話題で盛り上がったのはよき思い出。
夕方と早朝に楽しんだ阿曾原温泉の露天風呂
夕方と早朝に阿曾原温泉で温泉を楽しむ。シートで覆われた更衣所の近くには源泉をためる浴槽があり、まるでミストサウナのような熱気が充満していた。
小説「高熱隧道」に登場した奥鐘山の岸壁
奥鐘山の岸壁を眺めながら、登山道を開拓してきた方々に畏敬の念と祈りを捧げ、翌朝、無事に欅平に下山。
欅平駅から乗車したトロッコ電車
欅平駅からトロッコ列車にのり、富山経由で帰京した大満足な下ノ廊下の紅葉登山となった。
ストームゴージュアルパインパンツ
秋からの縦走で活躍するストームゴージュアルパインパンツ。ストレッチが効き、歩きやすく、ポケットの収納力があり、撥水力も強い。
暑くなればベンチレーションで、パンツの中にこもった熱を開放し、蒸れを軽減。秋の縦走の大切なパートナーです。
執筆者:TOKYO BASE 柴崎 篤信
入社年:2020年
日本全国の山が遊び場で、
山登りの後は各地の温浴施設と
その土地の飲み屋さんに出没しています。