DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: 山本 雅人

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スタッフの遊び記録
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『また雨やん…』
いつも毎年3連休に行動を共にしている友達3人組のLINEに雨情報が入る。
7月の三連休は毎年梅雨が明けず、行こうとしている山域に行けずモヤモヤすることが多い。今年もそうだ。行きたい山域はあきらめて消化試合をどこでしようか天気予報を確認していると、新潟と長野の県境あたりはまだ天気が安定しそうなことを確認する。
もしかして…これは魚野川本流一択ちゃう…?

関西住まいだと微妙に遠くて手が伸びなかったイワナの宝庫、魚野川本流釣行プランがグンと上位に挙がってきた。
釣り好きが集まっているメンバー。断る理由はない。むしろ良いきっかけができた!

早速リールの糸を巻替え、当日に備えることにした。

■アクティビティ日:2024年7月13日~7月15日

3連休前の金曜日の夜、仕事を終えて北東へ車を走らせる。
関西から魚野川のアクセスポイント、『天空の湖』と呼ばれる野反湖へ夜通し7時間半かけて到着した。到着時はすでに明け方。
お、現地の天気は思ったより晴れている!日頃の行いやな~。


天気も良く崩れる雰囲気がないスタート時

調子のいいことを言っていると、登山口にいた係りの方に『渋沢ダムにつながる大倉峠への山越えは今手入れが入ってないから藪漕ぎになるよ』との助言をいただく。
まぁ晴れていればなんのその~ぐらいの感覚。
その時はなぜかそこまでひどくないだろうと勝手に思っていた。

いざ魚野川へ。今回は野反湖から西大倉山を越えて渋沢ダムへ。
渋沢ダムより魚野川入渓⇒高沢の出合で1泊。
高沢の出合⇒カギトリゼン、イワスコゼン、スリバチゼン、ヘリトリゼンの4連滝(こちらの地方では滝をゼンと呼ぶらしい)を越えて、小ゼン沢の出合上部で1泊。
3日目は小ゼン沢を遡上して稜線にで、そのまま野反湖に帰ってくるアラウンド行程だ。


スタートして間もなく。いい登山道。快適や~。

うかれて進んでいたのも束の間。藪漕ぎが始まった。あれ?前見えなくない?
自分が甘かったと実感させられるほどの鬼藪漕ぎパラダイス。想像以上でパンチが強い。メンタルがやられる…前のトレイルが見えない。いや、そもそもトレイルというか方向あってるのか?何度も疑うほど前が見えない。


写真で伝わらないほどの藪藪。向かう方向あってる??

3人で声を掛け合いながら背丈より高い鬼藪を必死に漕いでいく。4時間ほどひたすら藪を漕いだ先に、やっと渋沢ダムの貯水池が見えた。


やっと着いた。水きれー!

ここで沢装備に着替えチェンジ。やっとこさの魚野川入渓だ。


友人の森田(通称:アカコン)が毎度行っている入渓の儀に同席させてもらう『無事と爆釣を願って』

かつて近郊の職漁師たちが挙って降り立って漁をしていた魚野川。
どれほどのポテンシャルか楽しみだ。

入渓して水流を進んでいくとまず最初に出てくるゴルジュ『桂カマチ』。
ここのゴルジュを通過する際は、太腿より上に水嵩がある場合は水量が多く、この先の難易度が上がると聞いていた。
…がこの日は膝上程。これは大丈夫やなと安心。


『桂カマチ』通過。良きゴルジュ。良き景観。

できるだけ水に漬からないように壁をへつってクリアしていく。


まだまだ元気。

スタートから約8時間。山越えの行程がここにきて疲れが出てきた。
あと、とりあえず早く釣りがしたい!との欲から少し広場になっている砂地の場所に初日の幕を張った。


幕張完了。早速釣りだ!

沢を覗くとチラホラ魚影が見えている。高ぶる気持ちを抑えながら第一投。
チェイスあり!これは期待高いな~。と束の間に3、4匹釣り上げる。
テンション上がるー!!前半の藪漕ぎを忘れさせてくれる瞬間だった。


綺麗な岩魚だ。

初日に釣り上げた何匹かの内、必要分だけ夜のおかずにいただいた。


旅の疲れを食とお酒で癒すまったりタイム。


ランタンに引っ付くカゲロウ 明日も晴れるかな?

DAY2
起きた時点では青空が出ていた。
昨日は天気がもったが、2日目の予報は午後から崩れるとのことだったので、青空が出ている間に沢登りと釣りを楽しみ、14時頃には目標のテント場へ到着しようと計画を立てていた。朝早くから身支度を済ませ、2日目の行動をスタートした。

遡行途中よさそうなポイントにルアーを投げる。


ここめっちゃ良い感じやから1投させてくださいの図

やはり反応が早い!反応が良く、釣れる。
アベレージサイズは25cmあたりだが、とにかくよく釣れる。


中には尺サイズも。

先を急ごうと言いながらついつい良いポイントを見つけると竿を振ってしまい
おかげでツ抜け状態。時間を忘れて思ったよりも夢中になってしまった。我慢できなくなるのが釣り人の性。ひたすら3人で遡上しながら竿を振っていると雨が降ってきてしまった。結局雨の中の行動になり、やっとこさ4連滝にたどりつく。


カギトリゼン。雨で水量が多くなっていた。

他の釣り人の記録を見ているとロープを出していないことも多いが、土砂降りの雨でとりつきもズルズル。メンバー二人が先にザックだけ置いて空身で登り対応し。最後の自分はロープで確保してもらった。


草付きもズルズル滑る。水流強くて寒い。


イワスゴゼンは左岸から。

連滝になっているのでここでの釣りはぐっと我慢。
良き釜を指をくわえながらクリアしていく。時間をかけて4連滝を越え、再度釣りに勤しもうと思っていたが雨が強くなってきた。しかも釣りをしながら遡行してきたので思ったより時間がかかってしまいそろそろ今日のテント場を見つけなければ日が暮れてしまう事案に。体も冷えてきたし当初より2日目の宿泊予定地だった小ゼン沢の方に先を急いだ。仲間の情報では高台のいいテント場があると聞いていたが一目でここだなとわかる場所にたどり着く。結局雨はずっと降り続き3日目迄続いた。

この日は、晴れているうちに楽しもうという魂胆であったが、釣りに夢中になり思っていたよりも時間がかかってしまったことに反省。今回は付近に高台などあったから良いが、沢中は増水による鉄砲水などの危険もあるため注意が必要だ。

夜中雨は降り続き焚火もできず。釣った岩魚と持ってきた食料をバーナーで調理し酒を流し込んで早々に就寝した。

DAY3
願いは多少(?)届いたのか、夜中の土砂降りから小雨までは落ち着いていた。
ただ水量は増えていたので、早めに稜線まで抜けようとなり朝はやくから行動を開始した。


最終日朝、昨日から雨で写真を全然とっていなかったので行動前に名もなき滝の前でパシャリ。

今日は魚野川本流から抜けているし、今日中に関西に戻る予定なので釣りは無し。
竿をザックに仕舞い込んで小ゼン沢を詰め上げよう、そしてベタベタの沢装備を脱いで稜線を楽しく歩こうと稜線歩きを楽しみに先を急いだ。

ゴロゴロしたボルダー岩を越えて遡上していく。
昔はこの支沢などを活用して魚野川へアクセスし職漁をしていたんだなぁと思うと感慨深かった。ただ今は単純に勾配がキツイ沢としか考えられないが…笑


水量多し。沢の幅が狭くなってきている。詰めまでもう少しだ。

雨で冷え切った身体に鞭打って稜線までもう一息。
だんだん狭くなっていく水線を登っていくと五三郎小屋跡がやっと見えた。
やっとたどり着いたなぁと三人で顔を合わせる。裏手を見ればトレイルが続いていた。『群馬県境トレイル』だ。このロングトレイルが最後のフィナーレとして稜線歩きが待っている。


群馬県境トレイルのネームプレート。やっと稜線だ。

雨はまだ降り続いていたが、沢の装備を解除しやっと解放された気持ちになった。
登山道を野反湖に向かって歩いていく。やっぱり断然歩きやすい


登山道のありがたみを感じる瞬間。

笹薮に覆われ、トレイルが薄れている箇所もあるが初日の藪に比べると全然歩きやすい。
しかも次第に雨が上がり始めていた。

後は下るだけのポイントではガスで何も見えなかった景色から、天空の湖、野反湖が拝めた

何とか午前の内に野反湖まで戻ってくることができ、今日中には関西に帰れそうだ。
駐車場では登山口にいた係りの方に再びお会いし、初日の藪漕ぎは確かにつらかったですとお伝えした(笑)

今回雨の代案として魚野川を選んだが、結果よく釣れたいい思い出になった。
次回は晴れた日に来て、志賀高原側に抜けてみたい。そこにはどんな大物がいるのか楽しみだ。ワクワクした気持ちで帰路の道中3人、次の釣行を話し合っていた。

遊びのMVPアイテム

ゴージュタープ

別の記録でも紹介しているが、毎回沢泊では欠かせないアイテム。
コンパクトに収納できるのに、広げれば強度は強く、雨の中でも大の大人が3人横になってもゆったり余裕をもって眠れるスペースを確保できる逸品だ。

ゴージュタープの商品情報へ

 

 

遊びのMVPアイテム

ゴージュバッグ15

沢中、ザックからロープを出すまでもいかないけど、確保が欲しいなという場合にいつも重宝している。サッと取り出せてサッと仕舞える優れもの。
確保の為のみならず、テン場でのタープを張る為の中心を通すロープとして、濡れた服を干す物干しとしてなど、多様に使える万能なアイテム。

ゴージュバッグの商品情報へ

 

 

 

執筆者:生産管理課 山本 雅人

入社年:2020年

春から夏にかけては水遊び(源流釣行、沢登り、パックラフトなど)を勤しみ、冬は山スキーや冬期登山を楽しむ。1年を通して低山や海外の山を歩いたり走り回ったりしている。

 

※自然の中でアクティビティを行うためには、十分な装備、知識、経験が必要です。事前の準備を徹底したうえで、安全に注意してお楽しみください。
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