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9/132024

【イベントレポート】登山道整備イベント「奥信濃トレイル保全ワークショップ」

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2024/8/10(土)~11(日)に実施された【登山道整備体験イベント「奥信濃トレイル保全ワークショップ」】についてレポートします。
本イベントは、「登山道を守る人を応援する」プロジェクトの一環として「奥信濃100実行委員会」が主催となって、ワークショップ形式で実施。
実際に手を動かしながら、整備を実践し近自然工法の発想を学び、また今後の登山道整備の在り方について考えるという目的で行われました。
イベント募集時の詳細はこちらからご覧いただけます。

「水の流れが想像できるでしょうか?」

登山道整備の監修を頂いた北杜山守隊の山部晋矢さんが、参加メンバーに穏やかな口調で問いかけます。
現場は長野県、木島平村のカヤの平を水源とする本沢川沿い。
沢を流れる水の音を背に、メンバーは真剣な表情で山部さんの言葉に聞き入ります。

現場の斜面で工法について聞く

現場は高低差5m、全長15m、幅1mほど。
斜面の土が露出していて、雨の際にはぬかるみとなり、見た目にも危険な状態です。
まずは状況を把握。そして、どういった完成イメージを持つのか?
水の流れを意識して、歩きやすく、耐久性があり、周囲の植生を守る登山道を作るためにはどのような形がいいのか。近自然工法の発想を前日に学んだ参加メンバー全員が考えます。
参考:近自然工法について(環境省HPへ飛びます)

現場の斜面(施工前)

それから山部さん監修の元、方針を定めて何が必要となるか考えます。
必要なものは丸太、石、枝。

現場の脇を流れる本沢川

幸いにして、森の中の沢沿いということもあり、丸太や角の立った石が豊富で、資材には困りません。
チームを分けて分担し、皆の力を合わせて切り出した丸太を運びます。

スリングをかけた丸太を少しずつ運びますが、これが意外と重い…。
斜面を上げるときには足を挟まないよう調整しながらゆっくりと上げていきました。

丸太は大人3人がかりで少しずつ運びます

まずは現場中央に丸太を一本配置。
その下に20~30㎝ほどの石を積んでいきます。
集めた石も一抱えある角のある石、隙間に入れるこぶし大の石などサイズを変えて。
石積みは山部さんが中心となって進めますが、まるでパズルのよう。
縦横斜めと隣、上に積む石の接点を考えながら土台を形成しました。

ハンマーでしっかりと土台を固める

斜めに配置された丸太と石組み

標高1,000mを超える沢沿いといえど、作業で汗ばみます。
慣れない手つきで丸太を運び、石を集め、枝を束ねて、協力しあって談笑しながらも手際よく作業は進みます。

気持ちのいい森が拡がる

「ああでもない、こうでもない」と話し合いながら、石を組んでは実際に歩いてみて感触を確かめます。
冬には5mを超えるようなの積雪があるとのことで、雪の重みに耐えられるか。水の流れが急になって斜面が削られてしまわないか。登山者がルートを外したくなってしまうような段差ではないか。

みんなで考えながら石を配置

徐々に整ってきました

木島平村観光振興局の沼野寛さん

作業すること約5時間。
チームワークの成果で驚くほど速く形が整いました。
ジグザグに組んだ丸太、ステップには平たい石を置いて、歩きやすさを考慮。
トレイルランレース「奥信濃100」のコースでもある為、ランナー視点でも登りやすさ、降りやすさを確認しました。
北杜山守隊の山部さんからは「参加者の皆さんが資材調達の多くの部分を担っていただけたことで、作業が早く進み、びっくりしました。良い整備ができたのではないかと思います」とコメントを頂きました。
主催のお一人である山田琢也さん(奥信濃100実行委員会)は「この道を整備したことで、この道の里親になったつもりで、来年また見に来てください」と話していたのが印象的です。

ビフォーアフター

施工前と施工後

(写真左から)北杜山守隊の細田真晃さん、山部晋矢さん、主催の山田琢也さん

偶然ではありますが、作業実施日となった8月11日の山の日には「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨があります。そのような気持ちとともに作業に取り組み、身体を動かす中で近自然工法について実感し理解を深めて頂く機会となったのではないかと思います。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

□■□参加メンバー感想(抜粋)□■□
以下、ご参加いただいた方のコメントを記載させていただきます。
・正直ここまでできるとは思いませんでした。苦労したのは調達部分と石積みの微調整です
・石組みは奥が深い。難しかったです。みんなで気持ちを合わせて作業できたのがよかったです
・人が通りやすくする部分、逆に通らないでほしい部分を作るというのが気づきでした
・これをきっかけに作業を覚え、違う場所で伝えられるようになると、もっと登山道整備の輪が拡がるのだろうと思いました


本イベントは、当社と登山アウトドア向け Web サービスを運営する「YAMAP」が、共同で販売するfinetrack×YAMAP別注ドライレイヤー®ベーシックTの販売金額の5%を登山道整備の支援に充てるプロジェクト「登山道を守る人を応援するプロジェクト」の一環となっています。

プロジェクトの詳細は下記からご参照ください。
https://www.finetrack.com/news/post-82798/

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