DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

夏の北海道。
ここでしか見られない日本離れした雄大な景色。
山も、川も、道もすべてを繋ぐ旅に出た。

■アクティビティ日:2024年8月9日~8月19日

家を出てから帰るまで、アウトドアアクティビティを楽しみたい。
そう思い、北海道の山と川をダートで繋ぐ旅を計画した。
そのため、移動手段はオートバイ。それも走破性の高いオフロードバイクにした。

カムイミンタラ トムラウシ山へ

8月9日23時50分出港の新日本海フェリーに乗船するために、京都舞鶴港へ向かう。

お盆休み初日の乗船券は毎年争奪戦だ。
今年は運良く直前にキャンセルが発生してGETできた。

この旅の肝はパッキング。
多様なアクティビティに必要なウエアやギアを厳選して車体の小さなオフロードバイクに積載する必要がある。

林道ツーリング、釣り、登山、川下りという4つのアクティビティに必要なギアを防水ダッフルバッグに詰め込み、快適なライディングのために自身はウエストバッグのみというスタイルにした。
※積載したギアや着用したウエアはこちら

フェリーに乗船するときは、いくつになってもワクワクする。
もはやアクティビティのひとつ。
旅の始まりだ。


フェリー乗り場は活気にあふれている

同じ便のフェリーで、日高山脈のカムイエクウシカウチ山に登るというfinetrackスタッフに偶然出会った。小樽までの航海中、2人で地形図を見たりして北海道に思いを馳せる。


夏にはデッキでジンギスカンを食べられる。北海道に向けて気分も高まる

小樽港には翌20時45分に到着するため、近くにある24時間営業の温泉で夜を明かす。

早朝、Windyで10日間の天気予報をチェック。
広大な北海道はエリアによって天候が全く異なるため、より晴れそうなルートを予想。台風の進路も考慮する。

道央→道東→道北と進むのが良さそうだ。


今回のルート

まずは、東大雪のトムラウシ山を目指す。

旅に昭文社さんのツーリングマップルは欠かせない。
林道、温泉、グルメ情報などが満載だ。(特に北海道版は情報量が多く素晴らしいと思う)

今回は、2019年版に加えて30年前の1990年版を手に入れた。
見比べることで、変わらない自然と、道路や街、電源開発の歴史と衰勢を感じながら走ることにした。


2019年版と1990年版のツーリングマップル

新得の街から道道718忠別清水線を経て、登山口までは往復で約150㎞程。
タンク容量は7.6ℓ、燃費は25㎞/ℓ。何とか大丈夫だろう。
奥十勝峠を越えるパンケニコロベツ林道など長大なダートも存在したが、通行困難という情報もあって今回はパスした。

途中の野営場で前泊し、早朝にトムラウシ林道、ユートムラウシ第2支線林道のフラットダートを走って登山口へ向かう。


野営場近くの沢ではオショロコマが釣れた

ダート+登山にはベストなルートだ。
本州では皇海山がそれに近いが、栗原川林道が通行止めになってしまった。


トムラウシ山の登山口まで爽やかなダートが伸びる

登山口でオフロードブーツからトレランシューズに履き替え、トムラウシ山頂を目指す。
北海道とはいえ真夏の樹林帯は暑く汗が噴き出る。
前トム平を過ぎて稜線に出ると、「カムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)」と呼ばれるに相応しい美しい光景が広がっていた。


トムラウシ公園より山頂を望む

山頂は360度の絶景。大雪山、十勝連峰を一望できる。


大雪山は花の百名山でもある

下山後は、古来からアイヌの人々に聖地として崇められてきたという然別湖へ。

霧がかる原始林と鳥居の立つ弁天島が神秘的で素晴らしい。
夜半、野営場ではシマフクロウの鳴き声が聞こえてきた。


然別湖弁天島

雄大な自然が広がる道東 釧路川へ

小雨の中、釧路川を目指して峠を越えていく。
道東は夏でも寒く、ドライレイヤー®とウォーターウエアのラピッドラッシュ®を重ねて濡れに耐える。

釧路川は、列車の接続を考慮し、釧路本線茅沼〜塘路駅区間をパックラフトで下ることにした。
どちらの駅の近くにもカヌーポートがあって便利だ。

静かな湿原を野鳥観察しながらのんびり漕ぐ。


釧路川は時の流れもゆったりしている

帰りは短いローカル線の旅だ。
茅沼でバイクを回収し、釧路湿原を横断するダートを走る。


北海道道1060号 クチョロ原野塘路線

晴れを求めて尾岱沼まで移動することにした。
別海や標津の広大な空とストレートダートは格別だ。


夏空とトウモロコシ畑

ロングダートを超え、大河 天塩川へ

道北までは長い道のり。
中標津の笹の沢林道を走って秘湯「川北温泉」に立ち寄り疲れを癒し、斜里の富士林道を抜けて網走へ。

紋別のコムケ湖畔には、オホーツク海とコムケ湖に挟まれた砂洲を走るダートを行く。
数年間、このような北海道ツーリングを続けているが、最北の離島・礼文島の尾根を貫く礼文林道と、このコムケ湖畔ダートが特に気に入っている。


コムケ湖畔ダート(過去写真より)


礼文林道(過去写真より)

天塩川へ行くには北見山地を越えなければならない。

音標で燃料を満タンにして、美深まで美深歌登スーパー林道を抜けていく。
風烈布林道を起点として、函岳も経由すれば60㎞を超えるスーパーロングダートだ。
風烈布林道は通行止めだったので北海道道880号上音標音標線を通ったが、7㎞程は深い森の中を走るダートだった。


美深歌登スーパー林道 函岳線

天塩中川のカヌーポート付きキャンプ場に泊まり、どこから下るか考える。
下流は流れがないことから、宗谷本線の始発で天塩中川から音威子府へ向かい誉大橋まで下ることにした。
漕ぎ出してみると、線路や国道から少し離れた区間で、オジロワシが優雅に舞う雄大な天塩川の自然を満喫できた。


全長256㎞、日本で4番目の大河 天塩川

帰路

小樽港を目指し道央にある各水系に寄り道して、釣りを楽しみながら帰途につく。


パックロッドが持ち運びに便利だ

パックロッドとオフロードバイクの機動性を活かし、気になる川があれば林道に入って竿を振る。


もうすぐ旅の終わり。時間が許すまで釣りを楽しむ。

小樽に着くと、偶然にもfinetrackスタッフと再会。
舞鶴港に向けて、サッポロクラシック片手に乾杯し、お互いに北海道の思い出を語り合った。

持ち物

■ギア
・登山靴(トレランシューズ)
・パックラフト
・4ピースパドル
・PFD
・パックロッド
・テント泊装備(カミナ®ドーム1、ポリゴンネスト®グリーン、エアマット)
・登山用のバックパック
・林道走行時のプロテクター類
・クッカー等

これらを60ℓと30ℓの防水ダッフルバッグに詰めてテールカウルに固定する。
マップや小物は4.5ℓのタンクバッグに詰めている。

■ウエア
・アンダー
ドライレイヤー®ベーシック T&ボクサー(毎日着用)

・ベースレイヤー
ラミースピン®エア ロングスリーブ(川下り以外で着用)

・保温着
ポリゴンUL

・レインウエア
エバーブレス®フォトン

・ウォーターウエア
ラピッドラッシュ® ロングスリーブ(雨天時走行のバリアとしても)

・パンツ
ストームゴージュアルパインパンツ(毎日着用)
スカイトレイル®パンツ(船内や行動終了時に着用、予備パンツ)

・ソックス
メリノスピン®ソックス グライド(オフロードブーツのロングソックスとして)
ラミースピン®ソックス アルパインレギュラー(登山用)

軽量化のため各1着にした。
どのウエアも速乾性が高く肌に近いウエアは防臭性があるため、毎日着続けていても不快感は少なかった。

 

遊びのMVPアイテム

ドライレイヤー®ベーシック

林道ツーリング、登山、釣り、川下り、どのアクティビティも汗をかくし、雨や水で濡れる。ドライレイヤー®が一枚あるだけで、ベタつきと濡れ冷えが抑えられ、気温と天候変化の激しいマルチデー・マルチアクティビティを快適に過ごすことができた。

ドライレイヤー®ベーシックの商品情報へ

執筆者:マーケティング課 山下 良太

入社年:2021年

山に持っていくカメラの最適解は人それぞれだろう。
何年も考えているが答えは出ない。
軽さ、画質、耐候性のどれを取るかでいつも悩む。
センサーは1型、欲を言えばAPS-Cが欲しいけれど、軽さや耐候性は犠牲になりやすい。
しかし、結局はプリントも含めて満足する写真に仕上げたい。
ということで、最近は少々重くても構わない縦走をニコンZ6+Z24-200。
沢・バリエーション登山・バックカントリースキーなど軽くしたい時はリコーGRⅢとして一旦は落ち着いている(水没に気を付けて)。

※自然の中でアクティビティを行うためには、十分な装備、知識、経験が必要です。事前の準備を徹底したうえで、安全に注意してお楽しみください。

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