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~2025春夏新商品「エバーブレス®フォトン」開発STORY~
発売以来、多くのアウトドアユーザーに支持されてきたレインウエア「エバーブレス®フォトン」が8年ぶりにリニューアル!新型止水ファスナーの採用で、フラップなしでも高い防水性を実現。さらに生地設計を見直し、耐久性と快適性が向上しました。その開発背景をお届けします!

目次

  1. 雨を凌ぐこと、そして快適であること。レインウエアの使命を探求して
  2. 新型止水ファスナーの採用による、「脱・レインウエアのセオリー」
  3. 機能の持続性を高めるための新しい生地設計
  4. 常識にとらわれず、新しいモノ創りに挑戦したい

雨を凌ぐこと、そして快適であること。レインウエアの使命を探求して

レインウエアとはどうあるべきか? 雨を凌ぐことが基本性能ですが、それだけでは、雨の山中での行動を快適にするには到底至りません。

安全快適に自然の中を行動し、無事に還ってくる。そのために欠かせないレインウエアとして、ファイントラックが開発したのが、独自の防水透湿素材エバーブレス®メンブレンを採用した「エバーブレス®フォトン」です。

生地のストレッチ性と高い透湿性、確かな防水性によって行動中のストレスが少ないことから、2012年の発売当初、「レインウエアは着心地が悪いが、仕方なく着るもの」というイメージを刷新するアイテムとして話題になり、それ以降、多くのアウトドアフリークの方々にご愛用いただいています。

そんなエバーブレス®フォトンが2025年、8年ぶり2回目のリニューアルを実施。新技術を随所に採用した、新たなレインウエアの誕生です。

新型※止水ファスナーの採用による、「脱・レインウエアのセオリー」
※2025年3月時点

レインウエアの設計には、明確なセオリーがあります。

例えば、従来のレインウエアに採用されていた止水ファスナーは耐水圧がほとんどないため、ウエアに十分な防水性能を付与するために、ファスナーの裏や表にフラップと呼ばれる当て布をして、止水ファスナーだけでは止めきれない浸水をカバーする、などといったものです。

しかし、このセオリーによる不自由も、状況によっては発生していました。

1つは、ファスナーの上げ下げをするとき、ファスナーがフラップを噛んでしまうこと。素早く脱ぎ着をしたいシーンでは、意外とストレスになります。また、本体生地とフラップが重なることでもたついて、運動性が犠牲になることもあります。

そんなレインウエアのセオリーが持つウィークポイントに正面から向き合わない限り、もともと製品として完成度の高いエバーブレス®フォトンをリニューアルする意味がない。そう考えていました。

旧モデルのフォトンを前に、ファスナーの改善点について議論する商品開発担当の相川(右)と生地開発担当の田中(左)

そこで2018年ごろから、ファスナーの世界トップブランド・YKK株式会社の開発担当者にリクエストしていたのが、フラップなしでも十分な耐水圧を備える止水ファスナーの開発です。

開発担当者のあらゆる思考の末、ある着想に至り、2020年から新型止水ファスナーの開発が本格的に始動。ファイントラックもその開発に協力してきました。4年の開発期間を経て完成したファスナーが AquaGuard® Tightened(アクアガード タイトゥンド)です。

(こちらの記事でファスナー開発について詳しく掲載しています。)

左右のファスナーテープが押し合い、圧力がかかることでM字型の膨らみが生まれ、従来の止水ファスナーのように“線”で密着するのではなく、“面”で密着する AquaGuard® Tightened

私たちは AquaGuard® Tightened をいち早く採用することで、レインウエアからフラップをなくし、シンプルな仕様でも高い防水性を可能にしました。それにより実現するメリットとは、大きく以下の3つです。

  • 止水ファスナーに耐水圧を付与
  • ファスナーのフラップ噛み込みストレス軽減
  • もたつきのない、きれいなシルエット

AquaGuard® Tightened を採用した新エバーブレス®フォトンのフロントファスナー部分。右下図の赤斜線が今回不要になったフラップ部分

また、パンツの前立て部分は、座る姿勢を取った際にフラップがあっても漏水しやすいウィークポイントなのですが、ここも AquaGuard® Tightened を採用することで、防水性を高めています。

機能の持続性を高めるための新しい生地設計

今回のリニューアルでは、止水ファスナーだけでなく、本体生地となる防水透湿素材エバーブレス®の設計も見直しました。ストレッチ性、長時間持続する透湿性、軽量コンパクト性はそのままに、アウトドアの挑戦を後押しする相棒として、長く快適に使えることを目指しています。

設計を見直し、新たに開発した防水透湿素材エバーブレス®の本体生地

生地に盛り込んだ新技術は、以下の2つ。

  • ハードに使い倒しても耐水圧を持続させるために、糸使いや組織を変更
  • 裏地のニット生地を変更

これにより、繰り返しのストレッチや生地の擦れ、汗や皮脂汚れによる防水透湿膜へのダメージに対する耐久性が向上。透湿性と防水性をより長く持続することができるのです。また、今回の生地改良によって、表地がテカらず、マットな質感に変わっています。副次的なものですが、それを活かした落ち着いたカラー展開も可能になりました。

常識にとらわれず、新しいモノ創りに挑戦したい

最後になりますが、今回 AquaGuard® Tightened を採用したのは、既存の常識に囚われることなく、革新的なアウトドアウエア・ギアを開発するための新技術への挑戦です。

私たちがいち早く新型止水ファスナーを採用することで、今後、レインウエアはよりシンプルで軽量な構造となり、さらなるメリットを持つものになるはず。これから変わっていくであろうレインウエアの新しいセオリー。その第一歩となるのが、新生エバーブレス®フォトンです。

(finetrackスタッフ 相川・田中)

ストレッチ生地による動きやすさと、しなやかな着心地を備えたレインウェア。
一般的なレインウェアに比べて行動時の透湿性が長く持続するため、運動時も蒸れにくく、悪天候下での長時間の行動を快適にサポートします。

また、新型止水ファスナーを採用し、フラップを廃止。従来通りの耐水性を維持しつつ、ファスナー開閉時のフラップ噛みなどのストレスを解消した、新しいカタチのレインウェアです。

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