肌や生地がびしょ濡れになっても、身体への張りつきを軽減している決め手は、肌で感じる生地の凹凸感です。格子状に織ったリップストップ糸を高く際立たせ、はっきりとした凹凸状態を形成する手法を採用しています。そんなクロノパンツの生地は、ファイントラックの他のパンツ生地と比べて薄く、適度なハリ感を備えていることも張りつきにくい効果を高めています。

また、耐久撥水加工を施すことで、濡れにくく乾きやすい、含水の少ない生地になっています。さらに特筆すべきは、一般的な山岳パンツと比べて約2倍以上の優れた通気性を備えていること。これによって大きく蒸れ感を軽減できています。糸や生地構成、そして付加機能の相乗効果によって、汗や水で濡れても、肌離れがよく、サラリとした涼やかな穿き心地が続くのです。

発想の起点は水辺で快適なパンツ

デザインを一新しリニューアルしたクロノパンツ。発売は2015年ですが、成り立ちはそれより古く、ファイントラックの創業期にあたる2006年まで遡ります。ウォータースポーツでの着用を狙った「ストームゴージュパンツ」という、当時、水辺のスポーツに特化したモノづくりをしていたファイントラックが初めて作ったパンツが開発のベースになっています。

生地のコンセプトは、濡れても脚に張り付きにくく、サラリとした穿き心地が続くこと。当初ターゲットにしたフィールドは、カヌーやカヤック、沢登りなどのウォーターシーンでしたが、高温多湿で汗を多くかく夏の登山でも快適な機能性を備えたパンツとして活用の幅が広がり、次第に夏山定番パンツの地位を確立していったのでした。

真夏のパンツの不快感にさよならを

リニューアルポイントであるデザイン面のアップデートは、直線的なデザイン線を用いながらも腰回りには表から見えないように立体的なダーツを入れることでゆとりと共にフィット感を高め、裾にかけてはテーパード状に絞ったパターンで、さらに足さばきが良くなっています。またアイテムには、アクティブに穿けるショートパンツモデルも追加しました。

クロノパンツをすでにご愛用いただいている方には、新デザインの足さばきの良さを、そして、夏の登山で「パンツが一番暑くて蒸れる……」と不快に感じられている方にはぜひ、この夏試していただきたい一本です。きっと、軽くサラリとした穿き心地がクセになることでしょう。