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もう迷わない。冬の登山を快適にするベースレイヤー選びのコツ

寒いのに、行動中は思ったよりも汗をかく冬の登山。そんな難しい体温調整をスムーズにする冬山レイヤリングの土台が、汗処理と保温の役割をもつベースレイヤーです。

しかし、ベースレイヤーは素材も厚みもたくさんあって、何を着たらいいのか迷ってしまいます。そこで、自分の登山に合った 冬山のベースレイヤーを着用できるように、ポイントを押さえた選び方のコツをご紹介します。

目次

レイヤリングを迷いやすい冬山

冬山は、ウエア選びが悩ましいシーズンです。悩ましさの理由は主に2つ。

  1. 夏山よりも着用するウエアの枚数が多いこと
  2. 行動中は体が火照るほど温かいのに、止まると低気温や冷たく乾いた風で寒くなること

2つに共通するのは、体温調整の難しさです。

冬山での体温調整のミスは、大きなリスクにつながります。

汗をかきすぎるほど着込むと、汗冷えを引き起こして低体温症や凍傷の原因になることもあります。一方で、寒すぎると登山自体がただ辛いものになるばかり。

そこで、冬山のレイヤリングに求められるのが、「汗処理機能」と「保温性」のバランスです。

ドライ系アンダーや行動保温着(アクティブインサレーションなど)に注目が集まりがちですが、その間にレイヤリングしているベースレイヤーも大事なアイテムなのです。

ベースレイヤーは、冬山の「保温」と「汗処理」の土台

ベースレイヤーは、肌の近くで汗を処理してくれるウエア。肌から吸い上げた汗をスムーズに乾かしてドライ感を保ち、ウエア本来の保温力を発揮します。

もしベースレイヤーの吸水性が弱ければ、ドライ系アンダーを着ていても汗を十分に吸い上げられずに、肌は汗で濡れたまま。

もしベースレイヤーの速乾性が低く濡れたままならば、いくら保温性が高い行動保温着をレイヤリングしても、体が冷えてしまいます。

そうです、ベースレイヤーこそが冬山のレイヤリングの土台なのです。

分かってはいても、難しいのがベースレイヤー選び。たくさんあるベースレイヤーの中から自分に合った1枚を選ぶには、まず3つの登山ポイントをイメージすることが大事です。

ベースレイヤー選びに大切な3つの登山ポイント

ベースレイヤーを選ぶときには、「標高」「気温」「運動強度」の3つをイメージしましょう。登りたい山や時期、登り方のスタイルを想像するとイメージしやすくなります。

標高 積雪、風の影響、森林限界などのフィールド状況を判断する要素
気温 寒さに直結する気象条件の要素
運動強度 行動スピードや、荷物の重さなどによる体への負担の要素

この3つの要素が掛け合わさった環境によって、ベースレイヤーの選び方が変わります。今回は圧雪された歩きやすい登山道を10㎏の荷物を背負って登山する場合の3パターンの例をみてみましょう。

例1)[標高2,000m以上] × [気温マイナス10℃] × [コースタイム通り]の場合

標高が高く稜線に出た時は風の影響が大きくなります。低気温、平均的な運動強度でも体温を維持できるように保温性を重視します。


例2)[標高1,500mほど] × [気温0℃] × [コースタイムの6割の速さ]の場合

気温は低いものの、運動強度が高くて体が熱を発し続けているため、汗処理機能を重視します。


例3)[標高1,000m以下] × [気温5℃] × [コースタイム通り]の場合

歩くペースも山岳環境も穏やかで、それほど多く汗をかくことがなさそうなため、着心地やニオイにくさなどの快適性を重視します。


3つの登山ポイントをイメージできたでしょうか?

それでは、ベースレイヤーを選ぶために理解したい素材別の特徴をみていきましょう。

素材による特徴を把握すると、スムーズに選べる

冬のベースレイヤーは、「化繊」「ウール」「ハイブリッド」の3種類の素材に大きく分けられます。それぞれの特徴を把握できると、迷わずに選べるようになります。

「化繊」は吸汗速乾性が高く、汗かきや運動強度が高い登山者におすすめ。他の2種類よりもリーズナブルですが、化繊特有のニオイやすさが少し気になります。

「ウール」は調湿性、消臭性が高くニオイに敏感な登山者向け。保温性は高いものの、汗処理はやや苦手。

「ハイブリッド」はウールと化繊のいいとこ取りで、万人におすすめ。

  化繊 ウール ハイブリッド
吸汗速乾性
消臭性
タフさ
メンテナンス性
価格

「標高」「気温」「運動強度」の3つの登山ポイントをイメージしてベースレイヤーの素材を選んだら、次は保温性を選びましょう。

「保温性」は厚みで選ぶ

保温性は、基本的には生地の厚みが大きく影響しますが、素材や生地構造によって左右されることもあります。生地の厚みには、「薄手」「中厚手」「厚手」があります。

「薄手」は春夏のグリーンシーズン、「中厚手」は秋冬の幅広いシーズン、「厚手」は厳冬期といったように着用を勧められることが多いですが、そんな常識に合わせる必要はありません。

汗かきなのに、厳冬期の標高1,000m以下の積雪のない山で「厚手」を着用すると、体が火照ってのぼせてしまうこともあります。

寒がりで冷え性なのに、晩秋の紅葉登山で「中厚手」を着用すると、寒さを感じてしまうこともあります。

生地の厚みを選ぶときには、3つの登山ポイントと、汗かきや冷え性など自分の体質を理解しておくことが大事です。

冬山に欠かせないドライ感も、ベースレイヤー次第

冬山では定番と言ってもいいドライ系アンダー。肌とベースレイヤーの間にレイヤリングすることで、汗冷えを軽減します。

その効果を最大限に発揮できるかは、ベースレイヤーとの相性が重要です。レイヤリングするベースレイヤーの「汗処理機能」はもちろんのこと、「フィットするシルエット」も大切。ゆったりしたシルエットだと、ベースレイヤーが汗との接触機会が少なく、汗を吸い上げられません。

また、生地の肌面がつるっとして滑らかになっていると、汗を吸い上げる力が弱く、肌に汗が残ってしまいます。これでは、ドライ系アンダーをレイヤリングしていても効果は薄れてしまいます。

POINT

【ドライ系アンダーと相性がいいベースレイヤーの条件】

  • 体にほどよくフィットするシルエット
  • 生地の肌面が凹凸構造になっており、汗を積極的に吸い上げる仕様

ドライ系アンダーをレイヤリングする場合には、フィット感と生地の構造をしっかりチェックしましょう。

自分に合ったベースレイヤーで、冬山をあたたかく

冬山では、登りたい山の環境をイメージして、特徴を理解したベースレイヤーを選ぶと、ちょうどいい暖かさで行動し続けることができます。

冬山のウエア選びで迷ってしまうのは、考える要素がたくさんあるため。しかし、ひとつひとつ考えていくと、意外とスムーズに選べるものです。

「3つの登山ポイント」「ベースレイヤーの特徴」「ドライ系アンダーとの相性」をイメージしながら、自分に合ったベースレイヤーを選んで、冬山を安全で快適に楽しみましょう。

メリノスピンライト

薄く、軽く、温かい
メリノスピン®ライト

薄手ながらメリノウールならではの保温性と快適性を備え、幅広いシーズンのアクティビティに活躍するハイブリッドベースレイヤー。

メリノスピンサーモ

厳冬期まで対応する温かさ
メリノスピン®サーモ

メリノウールならではの保温性・快適性に加え、2層の袋編み構造の採用により厳冬期にも対応する安心の温かさを備えたハイブリッドベースレイヤー。

ドラウトサーモ

極寒地での行動をサポート
ドラウト®サーモ

調湿性に優れたキュプラと、高い吸汗速乾性を備えた特殊ポリエステルを組み合わせたハイブリッド生地を採用。大量にかいた汗も乾かす速乾性と編み構造の工夫によりfinetrackのベースレイヤーで一番の温かさを備えています。

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